脱皮する家にお泊まり

2014年09月23日(火) 12:00

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 新潟, モノ+コトの話

STAY AT SHEDDING HOUSE: I stayed at one of the arts that started being exhibited in 2006, as a part of Echigo-Tsumari Art Triennale. The inside of the shedding house was totally shed, meaning hand carved. All the soot-blackened walls, floors, joists, columns, and dowels were shed to spring back to life. Amazing! And, it’s great to design the art to provide such an experience of being a part of it. I’m now excited about deciding which “art” to stay next.

越後妻有でのお泊まりは、2006年の大地の芸術祭で発表されたアート作品のひとつ、“脱皮する家”でした。

 

[1] この“古民家”に泊まりました [2] 2階のほうが飛び出てます [3] 脱皮を実現させた彫刻刀
[4] 天井も梁も柱も彫られてます [5] 階段の床だって彫られてます [6] 駄棒も例外ではありません
[7] よく見ると、彫り止まりも… [8] 彫り目の色が違ったり… [9] 中心点へと向かう秩序もある

内部はとにかく彫られています。彫られまくっています。囲炉裏や竈を使った長年の生活を通じてこびり付いた“すす”で真っ黒だった壁も床も梁も柱も駄棒(だぼ)も、とにかく全て彫られています(写真[4][5][6])。よくよく観察すると彫り止めたデザインがあったり(写真[7])、使われている木材の違いによってでしょうか? 彫り目の色が違ったり(写真[8])、無秩序にただただ彫られているのかと思いきや、部屋の中心点へ向かっていく秩序が確かに存在していたり(写真[9])。

2年半の年月を費やしたそうです。ただひたすら彫り続けるという行為を2年半つづけることの重み…。それを達成したときの喜びは何にも代え難い宝物として関わった人たちの心に残ったことでしょう。そうして作られた空間に滞在することができるようになっていることが嬉しい。見て終わり…とするのではなく、そこに入り込んで体験できるようにアートをデザインしているところが大地の芸術祭の素敵なところです。他のアートにも泊まってみたくて仕方なくなりました。さて、次はどこに泊まりましょう?