越後妻有に息づくアート~その2

2014年09月26日(金) 16:27

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 新潟, モノ+コトの話

ARTS IN ECHIGO-TSUMARI VOL.2: As we enjoyed walking along the rice terraces in the morning too much, we lost some time to enjoy arts in town, but there were many enough impressive arts and events around Matsudai Nohbutai, where would be filled with many audiences as a hub for the art festival held every 3 years. There was a kid running around just ignoring the art, but an adult instead enjoying being a part of the art, Yellow Slider. In Nohbutai, you are now able to enjoy drawings by Mizuki Tanaka, one of the only 3 painters left who are specialized in painting the walls at sento (Japanese public bathhouse). If you have time, you’d better climb up the hill in front of Nohbutai to enjoy some more arts hidden in the forest. To finalize our tour, we were welcomed to celebrate a marrying couple who met in this region and decided to have a wedding ceremony with various helps by local people. Everybody involved looked so happy, and was delighted by sharing the moment to see the groom gently helped the bride to stride over a shimenawa (a holy straw rope) to promise getting through the difficulties in life hand in hand.

二日目は峠の棚田のお散歩に思わず時間をかけすぎて、脱皮する家を出発したのは10時過ぎという体たらく…。いや、棚田の散歩が気持ち良かったからぜんぜんイイのだけど、これだけの数のアートをこの規模の土地に分散配置して見せるとなれば、そうでなくてもある程度の取捨選択を観客に迫るわけで、そこをどうサポートし、満足度マックスで帰ってもらうかというのは、実にチャレンジングですね…。

と、それはさておき越後妻有で鑑賞した風景と作品を手短に紹介していくシリーズ第二弾は、大地の芸術祭が開催されるときにはおそらく主要拠点として大勢の人で賑わうのであろう“農舞台”と周辺に点在するアート、そしてその界隈を舞台に催されたとある幸せの瞬間のご紹介です。

 

[1] 赤ふん少年のお出迎え [2] まつだい住民博物館 [3] 子どもはアートに目もくれず…

農舞台の入り口では、下半身だけの赤ふん少年たちが出迎えてくれました(写真[1])。農舞台からまつだい郷土資料館へと続く道には、“まつだい住民博物館”として、この地域に暮らす方々の屋号がずらりと並んでいます(写真[2])。それを見ながら歩いていくと頭上に設置されているスピーカーからウェルカムメッセージが自動的に流れる仕組みになっていました。ところどころな~に言ってるか分からんかったけんども(訛った感じでお読みください…笑)、田舎のおじいちゃんやおばあちゃんに「よく来たね~」って言ってもらってる感じが普通に嬉しい。“かまぼこ型倉庫プロジェクト”なるアートには目もくれずに走り抜ける子どもがいるかと思えば(写真[3])、“イエロースライダー”を楽しむオバサン(42歳)がいたりする(写真[4])。農舞台の中で開催中の期間限定!銭湯ペンキ絵展へ行くと、日本にわずか3名しか残っていないという銭湯ペンキ絵師の田中みずき氏が描いた富士山を眺めながら湯船に浸かっている気分を味わえます(写真[5])。銭湯はやっぱり富士山ですね…とか言いつつ、銭湯なんて長らく行ってないけども。もっと時間があったなら、農舞台から松代城へと向かう途中にひっそりと設置されている“フィヒテ(唐檜)”で読書とかしたかったです(写真[6])。

 

[4] 一方ではしゃぐオバサンあり [5] 銭湯には富士山ですよね [6] 森の中で読書したかった
[7] まつだい郷土資料館で結婚式 [8] 手を繋いでしめ縄をまたぐ [9] まつだい里山食堂で披露宴

そして二日目のクライマックスは、この日、まつだい郷土資料館(写真[7])を貸し切って行われていた結婚式への参列です。いや、参列ではなくて勝手に見学でした(笑)。新郎が大地の芸術祭の運営に携わったことのある方だそうで、奥様は美人の看護師さん(という話だったと思う…)で越後妻有と直接かかわりはないけれど、二人の出会いの場となったこの地で、手作りの結婚式を挙げようということになったのだそうですよー。雲ひとつない秋晴れのもと、“はじめての共同作業”と称してしめ縄をまたぐ儀式がありました(写真[8])。新婦がすっ転ぶことのないようにと新郎が優しく手を引き、着物の裾を持ち上げている姿に軽く感激して関係ないのにウルっときました…(歳だね~笑)。ちなみに披露宴は、前日わたし達がランチをいただいた越後まつだい里山食堂だそうで、そこの様子もちらりと拝見(写真[9])。これまでの二人の人生に関わってきた人たちと、二人の出会いの場づくりに縁のあった人たちが力をあわせて結婚式を作り上げている様子に、またしてもウルっとせずにはいられませんでした。お二人、どうぞ末永くお幸せに。