2014年3~7月の読書記録
2014年08月29日(金) 17:24
本&映画の紹介まさかの5ヶ月分をまとめた読書記録(笑)。しかも少なっ! 今年の前半は本当に忙しかったのだ。本を読んでる暇があったら寝よう…という感じだったんだ。おかげで丸1ヶ月夏休みを取れてしまっている今日この頃。ということで読了日も省略。順番も適当。
『仁義なきキリスト教史』と『わたしのマトカ』の二冊がオススメです。
読んだ本の数:22冊
読んだページ数:5807ページ
ナイス数:38ナイス
帰れないヨッパライたちへ―生きるための深層心理学 (NHK出版新書 384)
子どもが最初に口にする言葉にM音が多いことと、それは“口(Mouth)”っぽい音だからってくだりはかなりへぇ度が高かった。あと、精神医学の世界で“ケースカンファレンス”なるものが伝統的に開かれていて、医師と患者の二者関係を第三者の聴衆や指導者が見て、治療の善し悪しを評価するいうのも感心。タイトルからもう少しちょろい心理学を想像していて裏切られた感は否めなかったが勉強になったので良しとする。
著者:きたやまおさむ
仁義なきキリスト教史
劇的に面白かった。ヤハウェ大親分の怖さを知らない無宗教な人なので、心底大笑いしながら読めました。キリスト教徒の皆さん、ゴメンなさい。それにしても、ユダヤ組系列キリスト組の逆鱗に触れた著者が東京湾に浮かぶことのないよう祈りたい。がっぽり入った印税を上納すれば、許してもらえるのではないかと思う。なにはともあれ広島弁がしんどかったが、そのおかげでエンタメ度も増しているに違いない。
著者:架神恭介
日本史が面白くなる「地名」の秘密 (歴史新書)
あらためて実感というか、自覚したが、日本史は苦手であり、よって好きではなく、つまりこの手の本は読んでいてもいまいち楽しめない。ふーん度は高かったが、よし!日本史もっと勉強しようとはならない。嫌いを克服するのは難しいのぉ。
著者:八幡和郎
ああ、禁煙vs.喫煙 (講談社文庫)
飲食店の禁煙日はさして名案だと思わない。染みついたタバコのニオイはそう簡単にとれるものではないと思うから。アナログ放送終了テロップがむかついた話は同感。されど喉元過ぎれば…どうでもイイ。外国語は大人になってからでも習得できる…には反対。誰からも否定されない=毒にも薬にもならないとはなるほどな。といった感じで著者と対話をしている感覚でぽんぽん読んでいくとあっさり読み終わる時間潰し向きの一冊。
著者:姫野カオルコ
消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)
どうして?の連続。関わった人の心理が本当に分からない。分からないのが正常だとは思うが、その文脈に身を置くと(いや、絶対に身を置きたくないのだが…)思考を停止した脳と身体が言うことを聞いてしまうようになるのだろうか…。勇気を出して外に救いを求めた彼女のその後の人生に、ほんの少しでも安らぎや喜びがあって欲しいと思う。
著者:豊田正義
奥さまはCEO
ノンフィクションのビジネス本を想像しながらタイトル買いをしたら、ただの小説だった…(笑)。人生どこに落とし穴があるか分からないし、落ちたとしても這い上がれないと諦める必要はなく、やはりポジティブシンキングが大事だ…みたいな、うーん、ただの時間潰し的読み物でした。
著者:鎌田和彦
若者殺しの時代 (講談社現代新書)
負けを認めた1945年。国をあげて経済発展を目指し、突き進み、およそ50年の歳月をかけて豊かな社会を実現。ゴール。そしてゴールした実感を伴わないままその後もひたすら右肩あがりの発展をなんとなくめざし続けているうちに息が続かずエライことになった。帯にあるとおり、ゴール間近の80年代にゴールが近いことに気づかなかったこと、次の目標設定が必要なことに思い至らなかったことが日本の失われた20年の始まり。なかなかの含蓄。はたして、次のスタートは何年と認識すれば良いのだろうか?という疑問がモヤモヤと残った。
著者:堀井憲一郎
なぜ、日本人はモノを買わないのか?: 1万人の時系列データでわかる日本の消費者
ものすごく新しい発見はないけれど、昨今マーケティング業界で言われている話や使われている用語の確認になりました。電子書籍だと、データ(グラフ)と本文を横並びに見られなくて、ちょっと不便ですね…と違うところの感想を持ったりとかして。
著者:松下東子,濱谷健史,日戸浩之,野村総合研究所,野村総研=
ゲーム理論の思考法
大学のゼミで勉強した(はるか昔…)ゲーム理論を復習してみた。そう、こういう考え方を生活にとりいれ、仕事に活かし、社会に貢献していくことを目指していた…というか目指したいと思っていた若かりし頃を思い出しながら読了。状況を俯瞰し、把握するところまでは好きだし、今も仕事や生活でそうすべく努力できている。が、予測とかは範疇外…とか思ってしまうダラリな大人になってしまいました。先生、ゴメンなさい(笑)。
著者:川西諭
部長、その恋愛はセクハラです! (集英社新書)
ハラスメントはセクシャルに限らずすべてイヤですけども、とりあえず被害者になるのはもちろん避けたい。しかしそれ以上に、加害者になる…ことはないにしても、加害者と周囲に思われることのないように気をつけないといけません。基本的には男性諸氏へのアドバイスが中心の本ですが、そこの男女逆転はないとも言えないので気をつけよー。各章の終わりにあるレッスンが地味に笑える。「中高年男性が「モテル」のは、地位と権力が九割がた」だそうですよー。
著者:牟田和恵
わたしの旅に何をする。 (幻冬舎文庫)
かなりウケた。電車で読み始めて軽く後悔したが、しかし旅に出たくなった。いや、私が行きたい旅はリッチで優雅で余裕のある代物で、宮田さんの望むものとは違う。とりあえず、著者が北京の地下鉄構内で購入したというポケットサイズの日本語会話集が面白すぎた。とにかく旅先には笑えるエクスペリエンスがいっぱいなのは確かである。
著者:宮田珠己
わたしのマトカ (幻冬舎文庫)
片桐はいりさん、好き。表紙のデザインもきわめて私好み。『かもめ食堂』も見ました、なぜかオランダで。ヘルシンキだって行ったもんねー。ということで、片桐さんのお人柄とセンスの良さと恐怖心にまさる好奇心を堪能できる一冊でした。次にフィンランドへ行ったときは、絶対にサウナに入りたい(襲われる心配のないところで…)と思います。
著者:片桐はいり
社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉 (ちくま選書)
小難しくてなかなか進まなかった。でも、フェスティンガーの認知不協和理論の成り立ちとその後の議論についてかなり詳しく記されていて、いつか絶対に役に立つ!と確信を持てるのが嬉しい一冊でした。
著者:小坂井敏晶
最新マーケティングの教科書 (日経BPムック)
珍しく雑誌なるものを買ってしまった。これまた最近のトレンド的用語の理解のために。仕事柄、流行りは抑えておく必要あるかんね。抑えるだけで、さして活かせるシーンはないのだが…w。
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
コワっ。前半から妹の発言がおかしーぞ…とモヤモヤしながら読んでいて、途中で気づいてモヤが晴れたけど、それにしても生まれ変わりがみんな虫…なのが気持ち悪い。そこにもの凄く大きく深い意味が込められているように思うのは深読みのし過ぎか?
著者:道尾秀介
なぜ、あの人の話に耳を傾けてしまうのか? 「公的言語」トレーニング (光文社新書)
私的言語と公的言語の違いを把握し、私的言語のみで済むぬるま湯に浸かることを選ぶのではなく、両者を必要に応じてスイッチしながら、聞き手の反応を見つつ、練習どおりの流暢な喋りではなく、つっかかっても間違えても“そのときの自分の言葉”で語りかける。うん、こないだコレが出来ていたんだ。だからあの方はお褒めの言葉をかけてくださったんだ。
著者:東照二
102 English Things to Do
ロンドン出張中に購入し、イギリス人たちと接しながら読んでたらかなり面白かった。確かに、イギリス人は自分たちを“ヨーロッパ”の一部とは思っていない。イギリスはイギリスなのだ。切手一枚買うときの会話にはpleaseが2回とthank youが4回も登場するが、それがイギリス人の話し方なだけで、決して礼儀正しいわけではない…とか、イギリス人は皮肉屋…的な話も途中で出てくるけれど、それを地でいく笑える一冊。
著者:AlexQuick
ホテルに騙されるな! プロが教える絶対失敗しない選び方 (光文社新書)
新しい情報はいまいち得られなかったな。お仕事柄しかたないのかもしれないけれど、当たり障りの少ない内容と書き方に終始していてタイトルの割に毒がなく拍子抜けの感は否めない。わたしもホテル評論やりたいです。ブログで勝手にやってるけども…笑。
著者:瀧澤信秋
悪女について (新潮文庫 (あ-5-19))
人の印象というのは、見る人の見方や性格、そのときの状況、背景情報の多寡、外野情報の有無などによってこうも変わるものなのか…と、とても考えさせられる一冊でした。人間同士だから当然相性もあるだろうし、自分も多くの人に好かれたり、嫌われたりしていて、何か悪さをしようものなら、後者の人たちに「いつかこうなると思ってました」とか言われるのだろう。人間関係というのは難しいのだ。しかし社会で生きていくには避けて通れない。生きるって大変。
著者:有吉佐和子
80時間世界一周 格安航空乗りまくり悶絶ルポ (扶桑社新書)
お金と時間ができてから世界一周をしようと思わせてくれる身体をはったくだらない挑戦をおもしろおかしく読みながら、中華系のウルサイ機内は勘弁だぜ…とか、ロシア姉ちゃん意外と親切じゃん…とか、ドイツ人はやはりマジメだ…とか、まー、自分の人生にはさして影響を及ぼさないであろう些細な学び(学びと読むのもどうか…というレベル)を得て終わり。暇つぶしには良いでしょう。
著者:近兼拓史
Matilda (Puffin Modern Classics)
舞台を観に行く前の予習その1。最初の疑問はやはり、このとぼけた両親からなぜこの聡明な少女が生まれ得るのか?という設定だ。それはともかく、舞台ではこの本の挿絵にそっくりのキャストと衣装が実現されていて感心。ということで、舞台の感想はこちら。
著者:Roald Dahl
War Horse
舞台を観に行く前の予習その2。この美しい馬たちをどうやって舞台化するのかという期待にワクワクしながらあらすじを掴む。ちなみに原作はJoey(馬)目線で語られていて、これがなかなか勉強になる。馬はこう乗って欲しいと思っているのか…、馬はこんなことにも気づいているのか…、とうぜん作者の推測にもとづく馬の思いだけれど、すごいリアル。参考にしよー。で、舞台の感想はこちら。
著者:Michael Morpurgo