隠れた空間がうれしい
2014年08月26日(火) 17:03
UXいろいろ, 日本発信四方山話, 福島, モノ+コトの話HOW NICE TO HAVE A HIDDEN VOID SPACE: The room I chose at Hotelli Aalto had a hidden void space which allowed me to keep and leave my suitcase open during my stay. As I’m not a well-mannered traveler, I don’t normally use drawers, but I want to keep my suitcase open to let me pick up something as soon as when needed. When I don’t have enough space, I need to give up some area in the room to keep the opened suitcase, which looks lax and I feel I should close it when I get out of the room for housekeeping. The hidden, big enough void space of this hotel made my stay effective. It is such a tidbit characteristic of the room, but it could encourage travelers with a big baggage to choose the room.
ホテリ・アアルトでわたし達が選んだお部屋は、琉球畳が心地よい和室を備えた2階の205号室。選んだというか、あまり選択肢がなかったというのが本当のところですが。その和室にしつらえられていたローテーブルは、一見あまりにもローで不便そうでしたが、使ってみると意外にも便利でちょうど良い高さ感でした。と、それはともかく今日ご紹介したいのは、写真[1]の奥に見える扉の中の空間です。
開けてみます(写真[2])。ただの空間でした。仕切りも棚もなんにもない、ただの空間。そしてこの空間にスーツケースを広げる(写真[3])。するとスゴーク便利なのでした。
ホテルに着いたらまず、クローゼットやタンス、デスクの引き出しなんかに荷物を移してスーツケースを空にする…なんていうお行儀の良い旅行者を何人か知っていますが、何事においても効率を重視する(物は言いよう…笑)わたしは、2~3泊程度の旅行ならなおさら、スーツケースという箱に荷物をできるだけ入れっぱなしにして、必要なときに必要なものだけを取り出して使うという横着スタイルです。どうせすぐにまた詰めないとならないんだし。
こうやってスーツケースを広げっぱなしにできる“空間”を、しかも扉を閉めて隠すことのできる場所を提供してくれているホテルには初めて出会いました。この空間がなければ、部屋の隅っこの、なるべく邪魔にならないところを選んでスーツケースを広げることになるわけで、さすがに見た目だらしないし、お部屋の清掃係さんにそれを目撃されるのはちょっと恥ずかしいとかいう気持ちもあって、あるいは海外のホテルであれば中のものを盗られるかもしれないという心配もあり、お出掛け前にはスーツケースをいちいち閉じるという非効率?!な作業を余儀なくされます(笑)。
ホテルの客室は、限られた空間の有効活用が原則ですし、できるだけ部屋を広く大きくしたいのは作り手も使い手も同じこと。とすると、こうしたゆとりある空間づかいは無理な場合がほとんどでしょうし、ホテリ・アアルトもすべての客室にこの空間を用意しているわけではなさそうでした。ホテリ・アアルトはすべての客室が趣の異なるしつらえになっています。大荷物を抱えて訪れることになる客にとっては、205号室のスーツケースを広げっぱなしにできるほどの空間は大きな決め手の一つになるかもしれません。そんなちょっとした差分をもっとアピールしてみてはいかが?