ロンドンにある日本のお宝

2014年04月01日(火) 12:39

ヨーロッパ所々方々, イギリス

JAPANESE TREASURE FOUND IN LONDON: I luckily had one day off in London, and I chose to visit Victoria & Albert Museum this time. Whichever museum in London you go, you would be amazed by its scale and however many treasures had arrived in London from all over the world. I was impressed by the collection of Japanese Inros (little box to carry mostly medicine that was popular in Edo period) and Netsuke (a kind of strap to prevent Inro from slipping down). The pair of stirrups, which seems to have signed Ieshige (Tokugawa?), was amazing, too.

そうそう、先月ロンドンへ行ってきたんですよねー。仕事三昧だったのですが、強引にゲットしたオフを利用して美術館の一つくらい…ということで、長年行きそびれてきた Victoria & Albert Museum(写真[1]) へ行ってみました。“The world’s greatest museum of art and design”というふれ込みなんです、ココ。で、どんなものかと入館し、館内マップを見てみたら、スンゴイ広くてどん引きでした。大英博物館やナショナルギャラリーに比べれば規模は小さいのかもしれないけれど、日本人の普通感覚で行ったらバカデカイです。わたしに許された時間はわずか1.5時間。何を見ようかと悩んでいる暇すらない。

 

[1] V&Aへやっと行ってみました [2] 鉄製品の廊下は見応えあり [3] ステンドグラスの間

ということでなんとなくざっと見る。そして食らいついたのは ironware(鉄製品)のコレクションが並ぶ廊下でした(写真[2])。町で目にするときにはコンテキストに埋もれてまったく意識が向かないのに、部分的に切り出して展示されると、細部の造形に目を奪われます。もう一つ、食い入るように見たのはステンドグラスのコレクション(写真[3])。教会に行けばわんさか見られるステンドグラスですが、かなり高いところにはめ込まれていることが多くて、いつも遠目にしか見られないんですよねー。遠目に見るから美しいって~のもあるのでしょうが、間近で細部を見ると、へー!意外と雑なのね…とか、ほぉ~!かと思いきやこんなちんまいところまで気をつかって線を入れるんだ…とか、結構うなっちゃう見応えでした。

20世紀初頭、ロンドンをはじめとするヨーロッパ各地で東アジアブームが巻き起こり、主にファッションにその息吹が流れ込んできたという歴史があるそうです。日本の着物も大きな影響を及ぼしたそうで、その結果として生み出された衣装が少し展示されていました(写真[4])。なるほどね…。こういう風にアレンジされたんですね。合わせとか逆ですけども、そういうところは無視されたわけですね(笑)。

 

[4] 着物の影響がヨーロッパへ [5] 印籠と根付けのコレクション [6] ストラップ好きのルーツはコレだ

ロンドンの博物館や美術館に行って驚くことの一つは、その規模もさることながら、そこに並ぶコレクションの出所の多くがイギリスではないってことだったりします。世界の覇権を握っていた大英帝国の凄さを目の当たりにする瞬間。日本からもたらされたものはファッションへの影響…みたいな目に見えないモノだけでは当然なくて、見るからにお宝!なものも大量に渡ってしまっているのでした。圧巻だったのは印籠と根付けのコレクションです(写真[5][6])。印籠と言えば水戸黄門で格さんが「この紋所が目に入らぬかぁ~」って出すアレですが、昔はいろんなデザインがあったんですね。形も柄もいろいろだし、現代日本人のストラップ好きのルーツとも言える根付けのデザインもこれまた多様です。これは見ていてかなり楽しい。カエルとかないかな…と思わず探してしまったりする。ちなみに写真に写っているコレクションはV&Cに展示されているもののうちのほんの四分の一くらいです。

 

[7] 太刀の鐔もデザイン豊富 [8] 紐はこうやって結んで管理… [9] “Ieshige”なるサイン入り鐙

太刀もたくさん展示がありました。紐、こんな風に結んで保管するのか…(写真[7])とか変なところに妙に食いついてみたりして怪しい日本人でしたが、鐔(刀の柄を握る手を防護する部位)のコレクション(写真[8])が凄かったです。太刀の一部としてはなかなか注目を浴びない鐔も、こうして分けて並べて見たら、すごくステキ。こういうところのデザインを専門とする職人さんが、かつてはいたんですよねー。

そして最後にこの鐙(写真[9])。隣にチラ写りしている鞍もスゴイのですが、この鐙はその装飾といい、保存状態といい、めちゃくちゃイイ気がします。で、解説を読むと“Ieshige”とサインがあるとか書いてある…。“いえしげ”って家重…? 確かそんなお名前の将軍様がおられましたよね? 徳川さんちに…。それとも別のお宅の家重さんかな? いずれにしましても、お宝流出し過ぎなのは間違いない。大英帝国おそるべし。