買い物客が見るのは商品

2014年01月07日(火) 19:57

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 熊本, サインやUIの話, モノ+コトの話

SHOPPERS’ EYES ARE ON PRODUCTS: Each kiosk at Kumamoto airport has its own cash register, and floor colors mean the borders. There is a note hanging from the ceiling to remind customers to check with the floor color, too. Because what customers focus on is the products on the shelves, information on the floor or above their heads is just ignored. Many customers tried to pay for various products from several kiosks at one register, and were forced to go other registers to complete shopping. Oh no, then, I don’t need this and this and this… There should be only one register to sell more.

 

[1] 熊本空港の売店です [2] 床が色分けされてました [3] 頭上の情報もほぼ意味なし

開港して間もない南ぬ島石垣空港は土産物屋も充実していてなかなかでしたが、熊本空港の売店は、いかにも普通の売店でした(写真[1])。お土産のお菓子を選んだり、熊本旅行を懐かしみながら食すべく熊本ラーメンを手に取ったり、これまで見逃してきた熊本名物はないものかと、気合いを入れて商品棚に目をやります。

そう、客が見るのは商品棚とそこに並ぶ商品たちです。どんなに床に仕切りを意味する色分けをしても(写真[2])、レジの頭上に“売り場によってレジは違いますぜ”とメッセージを掲示しても(写真[3])、買い物に夢中の客が気づくわけはありません。そう。情報提示は目線の高さにするのが基本です。そうじゃないと情報に気づいてもらえません。場所と内容と習慣によっては目線の高さも無視されるわけで、配置以上の工夫が求められるんですけどね…。

熊本空港の売店では、あれもこれも携えて、いざレジに辿り着いたら、「この商品はあっち、こっちの商品はそこ、ここでお買い求めいただけるのはコレだけです」とか言われて激しく怒る! わたしが怒っているときも案外まわりは冷めているということが普段は多いのですが(笑)、このときばかりは皆さん、「なんでココで買えないの?」「どれをどこから持って来たかなんて覚えてない…」といった感じでまずすぐにイラッとし、数分と違わずに「じゃ~、もうコレ要らないわ」となるという展開があちこちで繰り返されていました。熊本空港の売店群は、レジを統合する手間を惜しんだ分だけ、売上を失っています、絶対に。