2013年7月の読書記録

2013年08月14日(水) 21:19

本&映画の紹介

ジャレド・ダイアモンドとダニエル・カーネマンの2冊が予想どおりヘビーだったのに加えて、『執事とメイドの裏表』も意外な重量感。その割に冊数が増えたのは海外出張のおかげかな。気晴らしにと手を出した小説も重くて、沈む感じのストーリーでした。『正しい大阪人の作り方』あたりでやっと笑えた感じです。

読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2649ページ
ナイス数:22ナイス

執事とメイドの裏表 ─ イギリス文化における使用人のイメージ 執事とメイドの裏表 ─ イギリス文化における使用人のイメージ
気軽に読めるかと思いきや、大まじめに英国の階級文化を論考する本でした。若かりし頃、イギリスに憧れたりなんかしていた時期もあったけれど、ワーキングクラスの末端から階段昇ろうとするなんて、お馬鹿さんとしか言いようがないな、今となっては(笑)。乳母については江戸時代の大奥と被るところ多し。どんなに知識と経験を積んでもワーキングクラスから上流階級への仲間入りは不可能なのが英国だよね。お金があれば上流階級ってなる米国が暮らしやすく見えるのも仕方ない。
読了日:7月5日 著者:新井 潤美

文庫 人間の性はなぜ奇妙に進化したのか (草思社文庫) 人間の性はなぜ奇妙に進化したのか (草思社文庫)
『文明崩壊』が小難しすぎてなかなか下巻へ突入できずにいる昨今。ちょっとコチラでも読んで弾みをつけようかと思ったところ、やはり色々と考えさせられて、弾みどころか躓いた気分。脂肪の付き方ひとつとっても進化に深く関係していること、忘れちゃなりませんね。何気に若い世代向けの本かもしれない。なんとなく毎日を生きるのではなく、進化について考えながら社会の一員であってみてください。疲れるとは思いますが…。
読了日:7月6日 著者:ジャレド ダイアモンド

日本人はこれから何を買うのか? 「超おひとりさま社会」の消費と行動 (光文社新書) 日本人はこれから何を買うのか? 「超おひとりさま社会」の消費と行動 (光文社新書)
三菱総研がWebサーベイで集めたデータをもとに、ひとり暮らし世帯数が1,846万を超えると想定される2035年頃の“おひとりさま”がどんな消費生活を送るようになるかを予想しながらあーでもない、こーでもないと蘊蓄を綴る書。この手の本にありがちな分析の甘さ、矛盾したデータの読み方、図表の分かりにくさにイラっとしながらも、大枠の傾向を掴むだけと割り切れば学ぶところもある感じ。
読了日:7月8日 著者:三浦 展

わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書 2177) わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書 2177)
演じることや舞台を作り上げることを通じて見つめてきた“コミュニケーション”の本質や解釈やそのズレを外化して共有したうえに、教育現場へ取り込んで、さらにそこで見えてきたことを社会に発信しながら、“異文化理解能力”と“同調能力”の“ダブルバインド”に苦しむ現代社会と対話(会話ではないところが肝)を続ける著者。こんな教育者が日本にいてくれるんだ…という安心感がうれしい一冊です。
読了日:7月9日 著者:平田 オリザ

騎手の一分――競馬界の真実 (講談社現代新書) 騎手の一分――競馬界の真実 (講談社現代新書)
この人、同い年だったのか…。わたしが現役で競馬場へ通っていた頃(バイトだが…笑)から悪印象だったが、コレを読了すると、彼が“マジメな不良”だったことが分かる。それでも好きになれないけども…。競走馬のボロが臭くなってきていること、騎手の数が激減していること、そう簡単に調教師へ転職できなくなっていること、田原成貴のアレコレ…など言いたい放題。とにかく悪いのはJRAってことになってるけど、ま~、JRAって政府全額出資の特殊法人だからね。文句言ったところで変わるまい。
読了日:7月13日 著者:藤田 伸二

ユージニア (角川文庫) ユージニア (角川文庫)
久代って誰だ? 緋紗子と同一人物であってる? 緋紗子の母親の名前って出てきてたっけ? とりあえず、子に対して負い目を感じるに至った親は宗教に救いを求めがちだ。うん、コレはあってる。詰まるところ、事件を未然に防いだり、事件の規模を小さく抑えたり、できたのにしなかった、だからこそ事件を忘れられない、そんな人たちの告白…。で、最後までモヤッとしたままという、実に夏っぽいジメジメした物語であった。
読了日:7月18日 著者:恩田 陸

ファスト&スロー (下): あなたの意思はどのように決まるか? ファスト&スロー (下): あなたの意思はどのように決まるか?
下巻の後半、ほとんど注釈だった。なんとなく損した気分(笑)。参照点が存在することと損失は同等の利得よりも強く感じられること、この二つを要とする“プロスペクト理論”の話、それから“死亡前死因分析”なる未来予測手法、下巻の学びはこのくらいかな。システム1に学習を期待しちゃイカンというところも、自分の豊かな生活のために覚えておこう。
読了日:7月19日 著者:ダニエル・カーネマン

正しい大阪人の作り方 (集英社文庫) 正しい大阪人の作り方 (集英社文庫)
最近は値切らずに“おまけ”を要求するらしい。そうだよね、大阪の文化だって日々変わっているのだよね。観光でちょいと訪れるくらいでは知り得ない大阪&関西のことをもっと学んでみたくなったけど、賃貸借りるのに家賃10倍の保証金がかかるだとー?! あり得ん。住んでみるのは却下。でも、京都ではなく大阪に行く機会をもちっと増やしてみるのはイイかもしれない。
読了日:7月22日 著者:わかぎ ゑふ

ハサミ男 (講談社文庫) ハサミ男 (講談社文庫)
あっさり引っかかってしまったのだった…。コレはマスコミに対する戒めの物語である。そうだよ、勝手に犯人を“男”と決めつけるんじゃなーい。そうやって引っかかったまま読み続けると、あっという間に読破できます。そのくらいのミステリーでした。
読了日:7月28日 著者:殊能 将之