プラナカン博物館

2013年07月08日(月) 18:08

UXいろいろ, アジアのそこここ, サインやUIの話, シンガポール, モノ+コトの話

PERANAKAN MUSEUM: It is a museum to introduce the history and culture of “Peranakans,” meaning “locally born” in Malay. Though you’d better not expect much to its museum shop, the exhibition was interesting enough to shelter from a sudden shower in Singapore. When I visit the country next time, I love to walk around to look for the cultural architectures in town.

シンガポールで、もう一ヶ所、地味に楽しみにしていた場所があります。カトン地区にあるプラナカン建築群です。しかし、結果から書いてしまいますが、スコールに怖じ気づいたため行きませんでした(ホントに楽しみにしてたのかよ…笑)。

とりあえず雨を凌ぐという意味もあって、まずは市中心部にあるプラナカン博物館(写真[1])へ行ってみたんですが、Webサイトの極めていかした雰囲気とは裏腹に、期待していたミュージアムショップの品揃えと店員の醸し出す雰囲気が最悪で激しく出鼻を挫かれた感じです。

 

[1] プラナカン博物館いきました [2] 喪服の展示とか興味深い [3] こういうデザインはモダンな感じ

プラナカンというのはちなみに、中国やインドをはじめとする近隣諸国から商売を目的にマレー半島へやってきた男性と地元の女性との間に生まれた人たちとその子孫を言います。外から入ってきた文化や思想と地元の歴史が混ざり合うことで、独特の雰囲気を醸し出していて美しいんですよね。たとえば、ニョニャ(プラナカンの女性をこう呼ぶらしい)が着る“ケバヤ”というブラウス。ビーズと刺繍で鮮やかに彩られていて、その手仕事を間近でみるとやっぱりスゴイです。精巧で繊細な図柄と細工に思わず見入ってしまいました。加えて、家族や親戚の不幸にあい、喪に服している期間のケバヤの移り変わりとか、展示として大変興味深かった。服喪期間は3年で(嫁はプラス4ヶ月だそうな…)、その間、黒から青、そして緑、さらに黄や紫を差し色に使ったケバヤへと順々に着替え、喪が明ける日が近いことを示す習わしになっているそうな(写真[2])。嫁入りのときに母が用意してくれた喪服で生涯やり過ごそうと考えている信仰心の薄い私からすると、ちょっとずつ色の違う喪服を複数用意して、3年(+4ヶ月)ものあいだ喪に服すなんてちょい苦しい。それに不幸が続いたらどうするんだろ…とか余計な心配までしちゃいましたが、そんな縁起の悪い話はともかく、プラナカン博物館ですが、展示の規模や内容は本当に興味深いのでオススメです。館内のあちこちでみかける壁紙や案内(写真[3])は現代風アレンジも効いていて素敵でした。ただミュージアムショップには期待するべからず。次回訪れたときには、スコールに負けず、街に息づくプラナカン文化を見に行きたいものです。