2013年5月の読書記録
2013年06月11日(火) 17:54
本&映画の紹介最近、頭を使う仕事をしているのだ。だから仕事を終えた後にさらに頭を使ってブログを書く気がしない…。というわけで頭を使わずに投稿できる読書記録をドンっ。いつもありがとうございます>読書メーターさん。今回は、『男は邪魔!』が断トツでした。Amazonのレビューではぼろくそに書かれていますが、学びを求める新書ではなく、笑いを求める新書として気楽にお手にとってみられることをオススメします。
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3661ページ
ナイス数:47ナイス
緑の毒
医者が悪に手を染めるとホント質悪いよな。待合室で患者がうじゃうじゃ待ってるのに、楽しそうにお喋りしてる医者と看護師とか見るとイラッと来る。愛が足りないよ、愛が。愛のない人と愛に飢えてる人は医者にならんで欲しいね。あと、お金にだらしない人、嫌い。レイプ被害者のひとり“チャラ”ことこずえは絶対に好きになれないタイプ。まったく同情してあげられない。そういうわけでなんとなく物足りない読後感でした。
読了日:5月2日 著者:桐野 夏生
メリットの法則――行動分析学・実践編 (集英社新書)
好子と嫌子、出現と消失、この4つの因子を2×2のマトリクスにして強弱どちらかの方向に動かすことを考える…と一見、単純で入り込みやすく思えるけど、単純が故に混同も起きやすく、実生活に取り入れて子育ての参考にしようっていうのは…たぶん凡人には難しい。第6章に出てくるトークンエコノミー法は、自分のポイント集めと子どもに与えるご褒美が簡単に紐付くので参考になるかも。行動分析学…は何気にわたしのお好み学問かもしれない。
読了日:5月3日 著者:奥田 健次
姉の結婚 (集英社文庫)
誰しもが何かと闘っている。見栄を張るのをやめて正直に生きる道を選べば楽になる…と思いながら虚勢をはり、人目を気にして、本音を隠し、大人になると家族の間ですら意地の張り合い。心の声を音にすることはできず、どんどん鬱屈していく。あー、生きるって大変ですね。
読了日:5月5日 著者:群 ようこ
男は邪魔! 「性差」をめぐる探究 (光文社新書)
衝撃的な面白さ! そうか、男はゴミだったのか…。ホコリとも言えるらしい。“人は男に生まれると、バカのままなのだ”とは、言い切ったね。“「好」も「嫌」も女偏だし”って、お~、すごい気づきだ。もー、髙橋さんの奥さんが賢すぎる。この人の著作の多くは奥さんに支えられている。夫婦で友達になりたいです。「あなたのことが書いてあるよ」と旦那にも読ませてみたら、かなり楽しそうに読んでました。以来、「俺はホコリだから仕方ないだろ」と自虐的に活用しています(笑)。男子の皆さん、勇気を出して読んでみてください。
読了日:5月5日 著者:高橋 秀実
稼ぐ「デザイン力!」―経営者・管理職のためのデザイン戦略入門
UX(ユーザーエクスペリエンス)という流行り言葉を知ってか知らずか、それには触れずにその重要性を説いていて、終始くすぐったい。でも事例ベースの話なので比較的読みやすく、デザイン=見た目オンリーと思っているような経営者や管理職には良い本と映るでしょう。しかし、iphoneとかipodとかって平気で書いているところに疑問が残る。商品名をきちんと書かないって、デザイナーとしてどうなんでしょう?
読了日:5月6日 著者:大口 二郎
ヤノマミ
簡単に感想を書くことが躊躇われるほどに壮大で、神々しい、先住民族ヤノマミとの出会いから別れまでを綴ったルポルタージュ。ちょっとした偶然で命を奪われかねない未知の社会へ、慎重に手探りをしながら少しずつ入り込んで行く。極力“文明”を持ち込まないように。常に“赦し”を得てから動くこと。先入観を捨て、ありのままを身体と心を全部使って感じたうえで記録する。それを私が読ませてもらう。一生近づくことさえ叶わないであろう世界を垣間見させていただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。
読了日:5月8日 著者:国分 拓
模倣の殺意 (創元推理文庫)
“同姓同名”だけで終わっていたらガツカリ感たかかったですが、時間のトリックもあったので許せる範囲。叙述トリックと言うのか…。なんかそんなに、グッとこなかった。あ、そうきた?って感じ。ということで次はない。
読了日:5月11日 著者:中町 信
上海、かたつむりの家
これはなかなか強烈な…ドラマだった。空港で下の娘を見送る母の姿を想像して、目頭が熱くなった。父の存在が薄かった…(笑)。人との繋がりが人生を大きく左右するのはどこの国でも社会でも一緒だと思うが、昨今の中国(というか上海)では左右の仕方が桁違いのようだ。流されないようにするにはどうすれば良いのだろう? 姉妹揃って幸せを手にするには、どうすることが正解だったのだろう? 果たして正解はあったのか?結構かんがえさせられる物語でした。
読了日:5月13日 著者:六六
ベトナムの少女―世界で最も有名な戦争写真が導いた運命 (文春文庫)
意図せず“世界で最も有名な戦争写真”の被写体になったことが、少女とその家族の運命をどのように揺さぶることとなったのかが赤裸々に綴られています。命が助かったのはこの写真のおかげとも言えるし、しかしそれ故に共産主義政権に利用され続けることにもなった。自由を渇望し、ついにカナダへの亡命を果たした彼女を支えたのは宗教だったというのも興味深い。ベトナムが戦争に勝利したことは果たして幸福だったのだろうか…。これを読んで、この問いは一層深いものとなりました。
読了日:5月21日 著者:デニス チョン
「いらっしゃいませ」と言えない国: 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂 (新潮文庫)
イトーヨーカ堂初の海外店舗が中国四川省の成都にオープンしたのは1997年11月。およそ15年前ということになる。準備に約4年の歳月をかけたようだが、市場調査の質も量も不十分だったっぽい。おかげで当初は悲惨な成果しか出せず、苦しい時期が続いた模様。しかし中国人従業員を信じ、育て、ともに辛酸をなめた仲間との前進しか考えないヨーカ堂の姿勢は見事としか言いようがないです。中国文化もともに学べる一冊となっているので、中国を視野に入れて仕事をする人にはかなり参考になると思う。
読了日:5月24日 著者:湯谷 昇羊
峠うどん物語(上)
うどん一筋のおじいちゃん、それを明るく支えるおばあちゃん、そこでお手伝いしながら各話で大きな学びを得るよっちゃん、そしてあんまりお手伝いに行かせたくないと思っているよっちゃんの両親はともに学校のセンセ。よっちゃんの小生意気ぶりが鼻につくけれど、それが大事なスパイスにもなっている。“死”を身近に感じながら、彼女はどんな成長を見せてくれるのかな? 下巻も楽しみです。
読了日:5月27日 著者:重松 清
峠うどん物語(下)
義理を欠けずに葬儀に出席し、しかしお清めの席に同席するほどの仲ではなくて焼香だけで斎場を後にする。まっすぐ帰宅してあっさりと日常に戻ろうとすると、何かが引っかかって戸惑われる。そんな参列者のためのうどん屋が峠うどん。よっちゃんが峠うどんのお客さんとしてデビューを飾っての(と言っては表現が雑ですが…)幕引きでした。よっちゃんが“死”のやるせなさを学んでくれて嬉しかったです。
読了日:5月28日 著者:重松 清