カリフォルニア・デザイン展

2013年04月30日(火) 18:08

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CALIFORNIA DESIGN: California Design, 1930 – 1965: “Living in a Modern Way” is for you to learn about the state’s key role in shaping the material culture of the US at mid-century. It features various objects, including furniture, jewelry and fashion, graphic and industrial design, and so on. The most fascinating design I loved is the two-piece suit designed by Gilbert Adrian in war time within various constraints.

国立新美術館で開催されているカリフォルニア・デザイン 1930-1965 -モダン・リヴィングの起源-展へ行ってきました。会場は写真撮影禁止なので、入口のみですが雰囲気をお感じください(写真[1])。入場料を払って中へ入るときにいただけるパンフレットは表紙デザインの異なる4種の中から一つを選べます。第二次世界大戦中の1940年代、軍事産業の発展とともに生まれた成型合板の技術で作られた添え木の表紙を選びました(写真[2])。戦後、家具をはじめとする日用品づくりにこの技術を応用していくことになる20世紀を代表するデザイナー、ご存知チャールズ&レイ・イームズが考案した添え木です。

 

[1] 国立新美術館で開催中 [2] カリフォルニア・デザイン展 [3] 素敵デザインは時代を超える

国土豊かなアメリカというお国柄、その中でも温暖で明るい陽差しに恵まれることの多いカリフォルニアという地域、そして世界大戦を経て、戦勝国として世界を牽引していくことになるアメリカ人のポジティブで自由な発想が、現代にも通じる素晴らしいデザインの数々を生んできたことが分かる、とても見応えのある展示会でした。

中でも一番惚れたのは、Gilbert Adrian氏が戦時中のさまざまな制約のもとでデザインした女性用のツーピース・スーツです。ロスのカウンティ美術館からお借りしたものだという情報からなんとか写真に辿り着きました(写真[3]/カウンティ美術館のホームページより)。女性用の、しかもおしゃれ着に回せる素材は当時かなり限られていたようです。おしゃれ着を買い求め、着る余裕のある(裕福な)女性が少なからずいたというところは、やはり戦勝へと向かっていたアメリカの余裕を感じさせる事実ではありますが…。それはさておき、このツーピースは本当に素敵でした。着物の帯締めに似た風合いの紐と結び目でキリッとウエストを締め、実はスカートもツートンカラーになっていることをチラ見せすべく、ジャケットの前の裾は微かに開いています。こんな素敵スーツを着て、パリッとした仕事をしてみたい。素晴らしいデザインは時代を超えるってことをビシッと教えてくれるスーツでした。