歩かせないデザイン

2013年01月09日(水) 19:13

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 広島, モノ+コトの話

A WAY TO RESTRICT ACTIONS OF TOURISTS: When the tide becomes really low, a stone path appears for us to cross the tentative river. It may be designed and created somehow to prevent tourists from walking dead center of the road between the Torii and the shrine chamber, because the dead center is believed it’s for God to walk. I’m sorry for stopping at the dead center to take those photos but if it’s true, this is a great design to force people to follow tradition even without knowing why.

 

[1] 潮が引くと現れる石の道 [2] 干潟にそびえる本殿 [3] 鳥居へ続く川の道?!

大鳥居と本殿とを結ぶちょうど真ん中あたりに人が渡れる石の道があります(写真[1])。人ひとりが通れるくらい。すれ違うのはちょいキツイ。潮が満ちているときは言うまでもなく、この石の道も水の底に沈みますから使えませんが、潮が引き始め、人々が大鳥居へアクセスしようと浜?!に降り始める頃に顔を出します。

行き交う人々の隙を見て、道の真ん中で歩を止め、本殿を撮ってみました。干潟に浮かぶ厳島神社もやはり素敵です(写真[2])。

もう少し潮が引いてから、石の道の中央でまた立ち止まり、今度は大鳥居を撮ってみました。鳥居から本殿へ向かって、まるで川のような流れができています(写真[3])。

と、ここでふと思った。大鳥居と本殿とを結ぶ道は、もしかしてわざと水が溜まるようにしてます? アレかな? 参道の中央は神様が通る道だから人間は歩くべからずっていう、アレ? こうして水が溜まるようにしておけば、自ずと人間は歩くことを避け、神様に道をお譲りすることになる。いや、だとしたら、敢えて水が溜まるようにしているのだとしたら、これは素晴らしいデザインな気がする。世界各国からここに集う観光客に、「参道を歩くときは、その中央を歩いてはいけません。なぜならばそこは神様が…」といちいち説明するよりも、水が溜まるようにしてそもそも歩けないようにするほうが手っ取り早い。知識や信仰はまったく伝わらないけれど、守ってほしいことは守ってもらえる。で、その中央で立ち止まって写真を撮っている日本人(=わたし)はどうなんだ?っていう話はありますけども…(笑)。