トドワラとナラワラ

2012年08月28日(火) 18:43

日本発信四方山話, 北海道

TODOWARA IN NOTSUKE PENINSULA: The main goal of our trip to east Hokkaido was to visit Todowara, which is located in Notsuke peninsula. Until the middle of the Edo period, there was a primeval forest with fir and oak trees. Very many parts of them have stood dead by now because of the environmental variation, which creates such stark but beautiful scenery.

道東旅行の一番の目的は、トドワラを見ることでした。オホーツク海に突き刺さるように伸びる野付半島は、潮流によって運ばれた砂礫(されき)が長い年月をかけて堆積してできた日本最大の砂嘴(さし)です。その野付半島には江戸時代中期までトドマツやエゾマツ、ハンノキやカシワの木々が生い茂る原生林がありました。しかし、海水面の上昇や地盤沈下に伴う海水による森の浸食が進み、森は立ち枯れてきたと考えられています。今後も浸食と風化は進み、そう遠くない将来、枯れ木たちは完全に姿を消して何もない湿原へと姿を変えてしまうのかもしれません。

駐車場に車を停めて、草原の中の一本道を30分ほど歩いて行くとトドワラに辿り着きます。

 

わたし達が到着したのは夕方の4時頃でした。濃い霧が、ただでさえ荒涼とした雰囲気をより一層殺伐としたものに感じさせてくれました(写真上段左)。写真を白黒にすると怖さ倍増(写真上段中右)。地球の終わりはこんな感じなのかもしれない…とか考えると本気でコワイからやめましょう。野付湾を挟んだ対岸の別海町から観光船でアクセスすることもできるようですが、トドワラ付近は浅瀬で船が入ってこられないため、海の上を沖に向かって伸びる木道(写真下段左)を13分も歩かないと船には出会えないらしいです。怖すぎて波止場まで行けませんでした。でも頑張って少し行くと、砂嘴の端っこ(写真下段中)を見ることができます。

トドワラからの帰り道にナラワラというのもあります(写真下段右)。ミズナラを中心とする森が、少しずつ浸食されて朽ちていっている場所。遠目にしか見ることができませんが、霧が濃くなったり、薄くなったりするのをボケッと眺めていると自然の厳しさと美しさに圧倒されます。世界遺産の知床半島より、個人的には野付半島をオススメしたい。知床まで行く方は是非、野付半島まで足を伸ばしてみてください。