アートとしての生きる形

2012年05月17日(木) 15:43

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IKIRUKATACHI EXHIBITION: An interesting exhibition is now open to the public at Tokyo University. Its curator tries to show cranial bones of various mammals and deformities of cows and etcetera as arts. Some of them may look grotesque, but you bear watching if you believe in their artistry.

東京大学伊藤国際学術研究センターで開催されている特別展生きる形を見てきました。

=以下、会場の展示からそっくりそのまま引用=
科学と芸術を乖離させた失態は、現代の大学にその責任の一端がある。大学は真理の探究であるはずの科学を経済力の指標としてのテクノロジーと恣意的に置き換え、美への渇望から遠ざけたからだ。だが、愚味な人間たちを差し置いて、科学と芸術は、つねに一体である。そしてそれは、人間が獣に堕さないことを示す唯一の証ですらある。
=引用ここまで=

 

[1] ニワトリの剥製たちがズラリ [2] 動物の頭骨もズラリ [3] 角のつけ根をマジマジと

深いっ。まさかこのちょっとした展示にこんな深い意味があったとは。そうですか、これらの展示は、大学の持つ資産をただ公開するのが目的ではなく、“芸術”として見せるところに狙いがあったのですね…。

ほんのちょっとした規模ではありますが、思わず見入ってしまうスケール感でした。人間とともに数千年を生きてきたニワトリの剥製たち(写真[1])。牛の奇形の骨も思わず食い入るように見られてしまう。なぜならアートだからか? 私たち動物が生きてきた命の証を語る頭骨の列(写真[2])を、ちょっとコワイような気持ちを一瞬感じつつ、あっさりそれを脇に置いて、「角のつけ根(写真[3])ってこうなってんのかぁ~。繋ぎが美しいな…」とか言いながらマジマジと見つめたりできている自分。うん、なかなかの展示でした。