矢印の力
2011年12月06日(火) 23:21
UXいろいろ, 日本発信四方山話, 東京, サインやUIの話, モノ+コトの話APPEAL POWER OF AN ARROW: What you look for in the toilet may be some toilet paper and how to flush, right? Some Japanese toilets provide a button to flush on the wall, instead of having a lever on the tank. In such a case, we often find a note to tell how to flush on the wall near the button, but a Japanese noodle restaurant uses an arrow only just to tell HERE! Very smart solution.
日本が世界に誇る発明品、おしり洗浄便座。最初は抵抗を感じる欧米の人たちも、「一度つかったら止められない!」と言って自宅のトイレに採用したりしています。わたしは、そんなアメリカ人の家を3軒、知っています。
最近はさらに、操作部が便座の脇ではなく、壁に設置されているものが増えてきましたよね。しかも水を流す操作もそこでできるようになっているものが多い。屈んだり、手を伸ばしたりせずに水を流せるからユーザビリティ的には進化していること間違いありません。しかし、長年の慣習に従い、どうしても便座の後ろにあるタンク付近の右を見て、左を見て、とキョロキョロして、水を流すにはどうしたらイイの?と迷ってしまうユーザーさんもいるのではないでしょうか?
特に、海外からの観光客が多いお店やホテルでは、操作部付近に張り紙をして、「水を流すにはココを押せ!」と案内している場合が多いです。せっかくのスッキリデザインもちょっと台無し(写真[1])。でも、英語ならまだカッコイイ。中国人客が多いと思われる焼き肉屋の張り紙(写真[2])は、日本語的にも直球でかなりカッコワルイです。
でも、押上で立ち寄ったお蕎麦屋さんの張り紙は秀逸でした。かなり年季が入っていますが、大胆なことに矢印オンリーです(写真[3])。情報訴求力の強い矢印という記号を用いて、然るべき情報を端的に伝えることに成功しています。そうですよね。トイレで困って探すものと言ったら、トイレットペーパーか水を流す方法だ(笑)。ざっと見回して矢印が目に入れば、そこを見ますよね~。「四の五の言わずにココを見ろ」と一本の矢印が力強く訴えています。