2011年5月の読書記録
2011年06月07日(火) 20:11
本&映画の紹介5月は結構よめましたね。ハワイの往復と、ビーチサイド&プールサイドでの時間が効いています。おまけに、かなりバラエティに富んだラインナップ。久々に読んだ洋書も良かった。小説自体はいまいちだったけれど、アメリカ人の13歳の少年がFacebookをやっているのは当たり前だったり、弁護士で超忙しいのに、金曜の夕方には必ずネイルサロンに行くっていうお母ちゃんのライフスタイルもなにげに仕事の参考になりました。アメリカの”今”を知るために、たまに洋書を読むべきだな…と思ったのだった。
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3681ページ
Theodore Boone: Kid Lawyer
久しぶりの洋書。両親が弁護士で、弁護士事務所やら法廷やらに顔パスで入れてしまう(そんなことが本当にあり得るのか?)13歳の少年Theoが殺人事件の目撃者の存在を知り、どうしたものかと奔走するけど、結局は大人を頼ってしまうという何ともな展開(笑)。おませな少年がどうやって危機を乗り越えるのかとワクワクしながら読んだけど、拍子抜けの終わり方でした。John Grishamの腕は落ちました。
読了日:05月29日 著者:John Grishambr
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
環境にあわせて自動的かつリアルタイムで色を変える迷彩服とか、爪の中に仕込んだフェロモンを路上に垂らして足跡を残すとか、脳の歩行系に割り込んで本人の意思とは関係なく足を動かせるようにするシールとか、SFの世界ってスゴイな〜と思いつつ、近い将来、本当にあり得ているような気もしてコワイ。ときは近未来。罪と罰について悩み苦しむアメリカの暗殺担当軍人が語る、監視される社会といつまでも果てることのない民族紛争の物語。重苦しいけど、引き込まれる。善悪が分からなくなる。将来が少し怖くなる。でも逃げ出すわけにはいかない。
読了日:05月28日 著者:伊藤 計劃
芸術起業論
「芸術家のクセにお金にうるさい」とたまに批判されるそうです。で、普通にシカトしている、と。ひとつの作品がドカンと売れたからって、瞬時に大金持ちになるわけではない。それまでの努力と時間と経費に、これからの同じく努力と時間と経費にかかるお金を足したら、一発の当たりじゃ足りない! すごい説得力があるなぁ。いつまでも”欧米の芸術の模倣”をしているようでは日本の芸術が欧米で高く評価され、高く売れることはないってこと、後人に丁寧にかつ厳しく伝えようとしている姿がカッコイイです。
読了日:05月26日 著者:村上 隆
本田直之のハワイを極める50の法則
ハワイ旅行へ旅立つ我々へ旦那の同僚が持たせてくれたハワイ本。さっくり読めてイイ感じ。すべてに共感はできないけれど、トータルとしては参考になる情報が多かったと思う。ハワイとは言えアメリカであり、油断してるとダメですよって話が繰り返しちょこちょこっと登場するところにいちばん共感しました。ちなみに、わたしは著者ほどハワイを好きにはなれなかった(笑)。
読了日:05月23日 著者:本田 直之
火車 (新潮文庫)
わたし、ローンが嫌いなのだ。特に手数料とかで小銭稼ぎをしようとするリボ払いなんてあり得ない。毎月の支払いが少なくなるからって楽になるわけではなくて、むしろ借金地獄を長引かせるだけの最悪ビジネス。そういう穴に悲しくもはまってしまった女性(たち)の悲しすぎる転落人生を絶妙な筆致で流れるように読ませてくれる。ラストは少々物足りない感じだったけど、そこから先を自分で想像する楽しみが残されているとも言えるかも。とりあえず、宮部みゆきをまた読みたい!と思ってしまいました。
読了日:05月22日 著者:宮部 みゆき
地下鉄は誰のものか (ちくま新書)
普通に無理だと思い込んでいました、都営地下鉄と東京メトロの一元化。東京都副知事の猪瀬さん、めっちゃ行動力あるな…、感動モノ。混雑率の平準化を実現し、初乗り運賃の二重払い、乗り換え時の無駄な歩みとその分の時間をなくしてユーザーにとっての快適な地下鉄を実現しようと動いてくれている人がいるって知れただけでウレシイです。有識者会議で出てきた発言にサインのわかりやすさや路線図の情報整理などに関するものがあり、ユーザビリティ屋やUX屋の出番がありそうなのもウレシイ。
読了日:05月20日 著者:猪瀬 直樹
これ1冊で完全理解facebook (日経BPパソコンベストムック)
こういう本の助けを必要とするインターフェイスってどうなの?と思いつつ、同時にこういう本の助けを必要とする私って職業柄どうよ?と自分にツッコミをいれたくなる今日この頃。とりあえずすぐに参考になる情報もいろいろあったので読んで良かった。
読了日:05月20日 著者:井上 真花,佐藤 新一
週刊とりあたまニュース 最強コンビ結成!編
元外務相主任分析官で、背任容疑で有罪判決をうけたことのある佐藤優氏が時事問題に絡めて毒を吐き、西原理恵子が同じお題で、かすったり、かすりもしなかったりする漫画で笑いを添えるタッグ本。笑ったり、考えたり、力いっぱい賛同したり、思わず反論したり、けっこう考えさせてくれる内容でした。
読了日:05月17日 著者:西原理恵子,佐藤 優br clear=”left”>
山・動く―湾岸戦争に学ぶ経営戦略
山を動かすのは大変だった(笑)。戦場たるものを想像することでさえ難しいのに、兵站補給、輸送、通信といった後方支援部隊の戦争における重要性やその指揮をとる将軍の苦労はまったくもってわたしの範疇外。しかし、そこには社会人として、そして人間として、学ぶべきコトが綴られていました。範疇外の現場を想像しながら読み続けるのは大変でしたが、読み終われば単純に「よし、わたしもガンバロー」と思える。地味な”裏方”の仕事に莫大な意義があることを学びました。
読了日:05月15日 著者:W.G. パゴニス
考具 ―考えるための道具、持っていますか?
外化することの大切さや威力は分かっているつもりですが、ついつい頭の中でグルグル考えて、いきなりパワポに向かっちゃったりしているので、とても参考になりました。さっそく提案書づくりに活用してみた。でもまたすぐ忘れて頭グルグルになりそうなので、手近なところに置いて、たまにパラパラ見るようにしたいと思います。
読了日:05月13日 著者:加藤 昌治
ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語 (ハヤカワ文庫NF)
ねじとねじ回しがスゴイ発明だ!ということには何の異論もないけれど、面白くなかった。なぜならば、ねじにもねじ回しにも興味がないからさ。わたしはいったいなぜこの本を買ったんでしたっけ?
読了日:05月07日 著者:ヴィトルト リプチンスキ,Witold Rybczynski
たそがれ清兵衛 (新潮文庫)
藤沢周平第二弾。持って生まれた外見やなかなか抜けない癖、自分ではどうしようもない境遇などに頭を抱えたり、抱えなかったりの主人公が実はスゴ腕の剣士で、藩の窮地を救うって話の連続。ワンパターンなんだけど、主人公の描写が常に秀逸で、「今度はどうやって巻き込まれていくんだろ〜」と毎話ワクワクしてしまう。そして毎話すっきりの読後感。藤沢周平、もっと読みたくなりました。
読了日:05月06日 著者:藤沢 周平
キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか デラックス (朝日文庫)
はっきり言ってくだらないチャレンジだらけ。そんなくだらないことに時間と労力を使い続けられる著者はきっと幸せです。そんなくだらないことしか書かれていない本を読んで笑っていられる自分も結構しあわせだなーと思える本でした。
読了日:05月05日 著者:北尾トロ