冬に逆戻りを喜ぶ瞬間
2011年05月03日(火) 23:23
日本発信四方山話, 富山富山市から車で約1時間のところにある立山駅からケーブルカーとバスとトロリーバスを乗り継いで、立山の中腹、標高2,316メートルのところにある大観峰へ行きました。その大観峰(だいかんぽう)の展望台からは、5月になってもまだまだ雪を頂いていて溶ける気配のない日本アルプスの姿を拝めます(写真[1])。東京でやっと訪れた春を喜んでいたというのに、なぜか冬へ逆戻り。
時間に余裕があれば、立山黒部アルペンルートをもう少し進んで黒部ダムを見に行くところですが、富山県立山側からのアクセスとしては大観峰までが(個人的には)限界です。しばし大観峰からの景色を堪能したところで、すんなり引き返し、室堂(むろどう)でメインイベント。
立山高原バス道路の除雪を行う際に、道の両側に除雪されずに残った雪が大きな壁を作ります。それが最大で20メートルにも及び、室堂のバスターミナル付近から約500メートル区間は歩行者天国として観光客に開放されます(写真[2])。これを見たかったのだ。春になり(まだ冬だけど…)道路が開通する4月中旬から5月末までのほんの2ヶ月弱のみ見られる風物詩。しかも後半に近づくほど雪の壁は低くなるわけで、ゴールデンウィークが最高潮のハイシーズン。わたし達が訪れたときの壁は最高地点で約17メートルでした。札幌で生まれ育った私も、さすがに17メートルの雪の壁は見たことなくて、かなり興奮しました。天気にも恵まれたので、雪の壁に降り注ぐ太陽の光がまぶしくてまぶしくて。わざわざ行った甲斐があるというものです。
室堂からバスで少し(500メートルくらい)下ったところにある弥陀ヶ原(みだがはら)にあるホテルに一泊。ここは6〜8月にはワタスゲをはじめとする高山植物が咲き誇る素敵な大湿原らしいですが、5月上旬の今はただの雪原。見渡す限りの雪山と雪原です(写真[3])。準備万端で行ったため、寒さはさほど感じませんでした。むしろ着込みすぎて暑いくらい。翌朝、早起きしてホテルの周辺を散策してみましたが、シンと静まりかえる山の中にポツンといると、けっこう心が落ち着きます。こういう朝もたまにはイイですね。