中国での最初の洗礼

2011年01月19日(水) 22:20

UXいろいろ, アジアのそこここ, モノ+コトの話, 中国

朝、公園の花壇には雪が積もっている(写真[1])くらいに上海は冷え込んでいます。

 

[1] 雪が積もるほどの冷え込み [2] でもタクシーがいなくて… [3] で、暴利サービスに鴨られた

昨日の昼過ぎ、上海の虹橋国際空港に到着し、入国審査やら税関やらをクリアして外へ出ると、真正面のカウンターから鬼のような勢いの客引きに会いました。そういうのは大概暴利だから…という思いで普通に通り過ぎてタクシー乗り場へ向かったら、雪の影響もあってか長蛇の列。軽く見積もっても50人くらいは並んでいたと思われます。そして、カープールには一台のタクシーもいませんでした。機体整備だなんだで羽田の出発が1時間ばかり遅れ、とうぜん到着も同様に遅れていたので、仕事場へ向かわなければならない私は急いでいたのです。仕方ないから地下鉄で向かおうかと思い直し、方向転換した私の姿を、敵は見逃していませんでした…(笑)。

「待たずにタクシーに乗せてやる」という甘言に吸い寄せられてしまった。連れて行かれたのはさっきのカウンターです。鴨を見つけた兄ちゃんが「どこのホテルですか?」とまぁまぁキレイな日本語で話しかけてきました(でもその後はすぐ英語になりました)。

「ホテルのリムジンだと450RMB、タクシーだと300RMBです。」と、わざわざ紙に書いて説明してくれました。

「ホテルのリムジンだといくつかホテルを回るから1時間かかりますが、タクシーならあなたのホテルに直行するので35分です」と言われて、なぜタクシーのほうが安いのだ?と一瞬頭をよぎったけれど、タクシーへ誘うための嘘だったのかな?と今なら思えます。30分じゃなくて、35分と言っているのは、端数があるほうが本当っぽいからかな?

「タクシー乗り場はすごい行列だった。すぐに乗れないんだったら地下鉄で行くから!」と私が強気で言うと、「すぐに乗れる。それに地下鉄は10号線しかなくて、それだとあなたのホテルへは大変行きにくい。とても時間がかかりま〜す」とさらに勧誘。後で人に聞いたら、すでに地下鉄2号線が通っていて、それなら乗り換えなしでホテル最寄りの駅まで行けたことが判明。明らかに騙されました…。

で、本当にすぐに乗せてくれるのかな?と心配していたら、何のことはない到着ロビーのひとつ上の階にある出発ロビーの階へ移動して、そこで契約している車のひとつとおぼしき少し立派な車に乗せられました。そこら辺には普通のタクシーもいて、ここまで来れば楽勝で流しのタクシーを拾えるっぽい。分かっている人はそうするし、分かっていなくて50人待ちの行列に我慢できない人は私のように暴利のサービスを使っちゃうし。ということで、行列の人たちがタクシーに乗り込むのは果たしていつになるのだろうか?と少し心配になりながら、タクシーの中の様子を観察したら、メーターがなかった。タクシーというよりも、リムジンという位置づけの車なのかもしれません。運ちゃんはぜんぜん英語を話せなくて、何か言ってくるけど皆目検討もつかない。少しでも早く次の鴨を乗せたいからだと思いますが、かなり急いではくれました。そのために右へ左へと自分は強引に車線変更しながら進んでいくのに、他の車に入られると鬼のように怒り、追いかけていって窓をあけ、怒鳴る。怖いよぉ〜。

ちなみに人に聞いたら、虹橋からのタクシー料金に300RMBなんて、通常料金の10倍だと言って笑われました(笑…仕方ないのでわたしも笑う)。日本円に換算すると5,000円弱。まー、そんなもんか〜と思ってしまったんだ。何より急いでいたし。凍えながら待つのも嫌だったし。羽田から辰巳の我が家までのタクシー料金が7,000円くらいという要らない知識と比較しちゃったりしたし。何より今、必死に言い訳している自分がカッコワルイけども(笑)、上海のように中国の中でもいろいろな意味で進んでいる町の、しかも空港でもこんな暴利なサービスを、立派なカウンター出してるところが普通にやっているということをお伝えしたくて、恥を忍んで書いてみました。

写真[2]と写真[3]はカウンターで料金を払ったときにもらった領収書です。手書き。こういう手書きの領収証だったら怪しい!と、とりあえず今後の私は考えることになりそう。こういう暴利のサービスはさすがに一回切りにしたいからね。サービスを提供するほうはどうなのでしょう? 今のご時世、口コミで悪い噂も良い噂も瞬く間に広まりますから、長くサービスを続けたいと思ったら、こういうアンフェアなことは大々的に行いにくいと思うのですが、何回上海に来るか分からない客の次を考えるよりも、今この一回の鴨を釣ることのほうが重要と思うのでしょうか? 逆に、何事もお金で何とかなると考える客もいる以上、持ちつ持たれつで成り立っていってしまうのでしょうか?

とにかく、中国での最初の洗礼は少し高くつきました。皆さんはどうぞお気を付け下さい。