2010年10月&11月の読書記録

2010年12月02日(木) 16:08

本&映画の紹介
すっかり忘れていた読書記録の更新。10月と11月の分をまとめてお送りします。
二ヶ月分なのに少ない感じですが、悠長に読書している余裕がなかったということで…。
おまけに今回から画像なしの手抜きバージョン。これまた余裕がないってことで。

読んだ本の数:9冊

白い牙
犬との混血として生を受けた狼の物語。古典文学というのを久しぶりに読んでみました。米原万里さんが絶賛していたのがきっかけ。人間に飼い慣らされていくことへの葛藤が全編を通して語られていきます。登場人物(人間ってことね)の大半が悪辣で愚かで、同じ人間としては読み進めるのが辛くなるところもあります。でも最後に本当に愛してくれる人に出会い救われます。読者であるわたしも救われた思いでした。古典はやはり心に残る。でも重たいので半年に一冊くらいがちょうど良い。
読了日:11月19日 著者:ジャック ロンドン

ガラパゴスでいいじゃない
コラムニストの小田嶋隆さんとクリエイティブ・ディレクターの岡康道さんの対談集第二弾。オジサンたちが命がけでアメフトの試合をしている話のあたりで我慢が限界に達し、電車内であるにもかかわらず吹き出してしまいました。すべてを鵜呑みにして人生を棒に振る若い人が出てきたら怖いですが、こんな生き方もありなんだな…って感じで何かに挑戦する意欲を二人からもらって欲しい。人生は楽しいほうが良いし、楽しかったことも苦しかったことも全部、オモシロおかしく語れるようになりたい。わたしのちょっとした目標です。
読了日:11月9日 著者:岡 康道・小田嶋 隆

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
“ある活動に対する外的な報酬として金銭が用いられる場合、被験者はその活動自体に本心からの興味を失う”のだそうで、”満点とったら1,000円”みたいな動機付けでホイホイ勉強していた中学生時代をぼんやりと振り返る(笑)。うちの親の教育の仕方で自分がこんなにも勉強好きに育ったのはかなりラッキーな展開だったと自分で言ってしまおう。弟が勉強嫌いなのはやはり親の責任である。長期的・本質的なモチベーションの与え方を学べます。ビジネス書ですが、子育て中の親にも一読の価値おおいにあり。
読了日:11月6日 著者:ダニエル・ピンク

人気サイトに学ぶウェブユーザビリティ
さくっと読めて、ざくっと大枠を学べる良書。仕事の現場へ向かう往復で読めてしまいました。ユーザビリティの勉強をしてきた人、ユーザビリティを生業にしている人には既知の内容ばかりと思いますが、リファレンスとして手元に置いておいても良いかもしれません、くらいの本です。
読了日:10月26日 著者:猿橋 大

謝々!チャイニーズ
恐れ知らずなようでいて同時に用心深く中国人の中にそろりそろりと入り込んでいく著者。自らの経験と知識に照らしながら目の前で繰り広げられる人間模様をつぶさに観察し、その時々の自分の思いを添えて分かりやすい文章で伝えてくれる極上の旅行記です。わたし、中国へはまだ行ったことがないんですよね。行かなければならないような気になってきました。しかも、地球の歩き方には載らない小さな町へ。
読了日:10月14日 著者:星野博美

なつかしく謎めいて
わたし達の住む世界とは違う別の次元には、眠らない人がいたり、背中に翼のはえた人が郵便屋さんをしていたり、不死の人を観光の目玉にしていたりという社会が存在します。空港で乗り継ぎ便を待っている間に、ふらっとそんな”次元”へ遊びに行けたら楽しいですね。でも結局、わたし達の住む地球という次元がどの次元よりも生きやすいという結論に達するのではないかと思います。
読了日:10月13日 著者:アーシュラ・K. ル=グウィン

西原理恵子の人生画力対決 2
凶悪犯罪や正義なんていう重たいテーマが多かったので、これで少し肩の力を抜き、思いっきり笑って腹筋を鍛える作戦。松本零士さんや浦沢直樹さんなど超ビッグゲストを迎えての対決です。腹、間違いなくよじれます。覚悟してお読みください。
読了日:10月06日 著者:西原理恵子

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
道徳、義務、動機、理性、尊敬、自由、権利、社会、美徳、名誉、誇り、承認…、”正義”を考えようとするときに引っかかってくるキーワード。読めば読むほど、何が”正義”なのか、何を持って”正義”と判断すべきなのか、頭の中がぐちゃぐちゃになる。ちょうど『M/世界の、憂鬱な先端』を読んで、過去の凶悪犯罪を考えた後だったので尚更わからなくなりました。深くて苦しい一冊。元気なときに読みましょう。
読了日:10月03日 著者:マイケル・サンデル

NYビジネスマンはみんな日本人のマネをしている
日本が海外に売れるものがまだまだありそうだと思えた。日本的な作法や考え方を欧米をはじめとする他国や他の文化向けにアレンジすればきっと商売になる。技術を売りにして、できあがった製品を輸出するばかりではなく、これからは、モノ作りの根底にある精神・気風・想いを有形無形のサービスに変えて発信していくことが必要だということを確認させていただきました。
読了日:10月02日 著者:マックス桐島