エスノグラファーの特徴
2010年09月13日(月) 08:13
UXいろいろ, イベントの話, ヒトについて, リサーチャーの知恵袋EPIC開催中、エスノグラファーの生態を観察してみました。 わたしが気づいた彼らの三大特徴をお知らせします。
(1) めちゃくちゃ体力がある
フィールドでのリサーチは体力勝負なところがあって、日々そういう仕事をしている人たちなので皆とってもタフ。連日朝早くから夜遅くまで、びっちり会場につめて、発表を聞いたり、ソーシャルネットワークを広げたり、休む暇なく活動をしている人が大勢でした。おまけに、前夜祭の日の朝には、築地へ魚市場を見に行くツアーとかもあったようで、時差ボケに負けることなく(いや、時差ボケしているからこそ…かな)築地へGO! 本当に元気です。三日目にはさすがに「疲れたね〜」なんて会話が聞こえてくるようになっていましたが、最終日の正午過ぎ、学会がお開きになってから東京の街に遊びに繰り出す元気はたっぷり残っているようでした。このくらいの体力がある人たちじゃないとエスノグラファーは勤まらないってことですかね…。
(2) 手書きでノートをとる
CHI、UPA、IA Summitといった学会では、発表を聞きながらPCを広げて、ノートをとったり、Twitterでつぶやいたりしている聴衆がかなりの割合を占めるのが普通でしたが、エスノグラファーたちは昔ながらの方法で、つまり紙のノートに手書きでノートをとっている人のほうが多勢でした。これもやっぱり、日頃の業務で慣れているからじゃないかな〜。フィールドリサーチをするときには、ノートパソコン広げてメモなんて取れないもんね。なるべく小さなノートに、後から読んで分かるように自分なりのメモをとる。それを出来るようにならないとなかなかフィールドには出られません。学会会場は机があるだけマシだったりするのかも。
(3) アンケートは自由記述式(写真)
大会が終わって1週間ほどした頃に、事務局からアンケート依頼のメールが届きました。いつもアンケートやインタビューを通じてデータを集める側にいるわたしとしてはシカトするわけにはいきません。たくさん勉強させてもらったし、5分で終わるって書いてあるし、早速URLをクリックして回答することにしました。
で、ビックリ。全問、自由記述式でした(笑)。ユーザビリティ屋なわたし達はいつも、アンケートの回収率を上げるために、あるいは集計をしやすくするために、できる限り選択式の設問を用意して、どうしても仕方ないところだけ自由記述にしてもらうことが多いのですが、いやはや見事に全問、自由に書いておくれなアンケートでした。ガンバッテ書きました。日本人からの回答が少なくなってしまうのではないかと少々心配です。いやむしろ、話すことには抵抗大ありな反面、書くことには抵抗の少ない日本人参加者は、ここぞとばかりに書くのかもしれない…。
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ユーザビリティ評価の仕事をしてきて、わたしも結構体力あるほうだと思っていたのですがエスノ屋に比べたらまだまだだってことが分かりました。アンケートの取り方も考えさせられるものがあった。これまでの先入観を捨てて、一方でユーザビリティ屋としての経験を上手に生かしながらフィールドに出て行くことを、これからはもっと考えていかねばなりません。