EPIC〜企画の数々

2010年09月07日(火) 22:50

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 東京, イベントの話, モノ+コトの話

昨日ご紹介したマスターツアーは中でも代表的で秀逸な企画でしたが、他にも参加者を飽きさせない工夫がプログラムの随所に用意されていました。

 

[1] ワークショップの様子 [2] Pecha-kuchaプレゼン [3] 日本家屋でガラディナー

学会に付きもののワークショップは二日目の午前中。12個用意されたワークショップの中の一つを選んで参加する仕組みでした。単に人の発表をふんぞり返って(あるいはボケッと)聞くのではなく、参加者全員が経験や作業を共有し、意見や作品を共に作り上げていくのがワークショップです。国際学会だと言葉に不自由する日本人はなかなか発言できなくて、結局ただ見ているだけに終始してしまったりしがちですが、そうやって“空気を読む”日本人参加者の存在を予想できていた学会事務局は、日本人のファシリテーター(司会進行役のことです)が主導するワークショップも複数用意してくれていて準備は万端。わたしが参加したワークショップ(写真[1])もそうでしたが、皆さんかなり楽しんで参加されていたようです。ワークショップを別料金にしたり、夜間に別枠で実施したりするケースが他の学会では多いように思いますが、EPICでは二日目の午前中をまるまるワークショップにあてて、全員がどれかに参加できる仕組みにしてくれていて良かったです。そうじゃなければ私はたぶん参加してない。ナマケモノだから。でも、日本人は確かに遠慮する質ですが、放り込まれれば案外ガンバル習性も持っているので、頑張らなければならない環境を作ってあげることも一つの大きなファシリテーションなんですよね。

企画としては面白いのに、残念な結果に終わってしまった(個人的見解です…)のはPecha-kuchaプレゼンテーションです。その成り立ちまでは知りませんが、なんか最近はやっているみたいですね、Pecha-kucha。発表者はテーマに沿ったスライドをきっちり20枚用意して、1スライド20秒の割り当てでスライドショーを準備します。20秒ずつ、20枚のスライドを見せながらプレゼンすると、一人の発表はかっきり6分で終わるという仕組みです。以前、オランダのTu/e(Eindhoven University of Technology)で先生や学生たちが同じようなプレゼンをしているのを見たことがありますが、そのときはめちゃくちゃ盛り上がってました。なぜならばお酒が入っていたからです(笑)。今回のPecha-kuchaプレゼンターたちは皆、真面目すぎて面白くなかった…。しらふだから仕方ないかっ(笑)。でもIDEOの人が、日々撮り溜めている写真にデザインのアイディアを書き込んで遊んでる(ウソ、遊んでない。真面目にアイディアの創出を狙っている個人活動らしいです)話(写真[2])と、インドの人たちがどんな風に写真を撮ったり、撮られたり、飾ったりしているのかを紹介してくれたMicrosoft Researchの方の発表なんかは面白かったです。Pecha-kuchaにはそういうお気楽なテーマがお似合いなのだ。

そして、ガラディナーです。六本木の喧噪の中に、ぽつりと一見場違いな雰囲気で佇む日本家屋。歩けばミシミシ言っちゃうし、あちこち段差だらけでユニバーサルデザインにはほど遠い建物ですが、古き良き日本の姿を今に伝える素敵なレストランL-Gardenが会場でした(写真[3])。なんと外国人ウケしそうな空間と演出でしょう? お上手でした。