Webinarでお勉強のススメ

2010年07月01日(木) 19:18

UXいろいろ, イベントの話

一昨日の夜中、そう日本中がサッカーの試合で盛り上がっていた夜のことです。延長戦でも勝敗がつかず遂にPKへと突入したくらいの深夜1:30頃から、アメリカはベイエリアに本社のあるUserZoom(写真[1])という会社が主催するWebinarに参加しました。Webinarとは、“Web+Seminar”のことで、つまりWeb上で開催されるセミナーのことを言います。指定された時間に指定されたURLへアクセスし、アクセスコードを入力すると参加できる仕組みになっています。今回、ホテル業界のベンチマーク調査を実施した結果を無料で紹介してくれるというので参加してみました。

 

[1] ベイエリアのUXリサーチ会社 [2] GoToMeetingを使います [3] 深夜に見なくても見られます

GoToMeetingというWeb会議用のアプリケーションを使って話者のPC画面に表示されるスライドを共有し、セミナーを受講します(写真[2]/左上ウィンドウが共有しているスライド、右下ウィンドウがGoToMeetingの入り口)。PKを見たい気持ちを精一杯脇へやって、約束の時間にPC前でスタンバイしたのに、肝心の調査結果に関する発表は先送り。まずUserZoomが推奨するUnmoderated Usability Testingと称するモデレータ不在のユーザビリティテスト形式と、それに使用するアプリケーションの紹介に15分くらい費やされました。わたしは知っている内容だったので、「あ〜あ、こんなことならPK見ておけば良かった…怒」な感じです。ちなみに、その紹介内容については過去にご紹介しましたのでそちらをご覧ください。

で、ホテル業界のベンチマーク調査です。わたしがなぜこれに食いついたかと申しますと、調査対象となった InterContinental Hotel Group、Hilton、Sheraton、HYATT、Marriottの5社のうちの一つのユーザビリティ評価を以前請け負ったことがありまして、 現状がどのように評価されているのかを知りたかったからです。どのホテルの仕事をしたのかは守秘義務がありますので一応伏せますが、今回のベンチマーク調査の“達成率”の軸で栄えある1位に(2つ実施されたタスクのうちの一つだけですが…)輝いたホテルです。いや〜、なんとなくホッとしました(笑)。これでドベとか、ブービーとかだったら、わたしの仕事っぷりはどうなんだ?と自問自答したくなりますからね。わたしが担当したのは日本人ユーザー向けにローカライズされたWebサイトの評価でしたから、今回のベンチマーク調査とは関係ないっちゃ〜関係ないのですが(笑)、ナビゲーションやレイアウトのような言語に関係しない部分についてもかなり指摘しましたから、どの言い分が通ったとか、無視されたとか、そういう細かいチェックはしていませんが、多少なりとも関わった身として、結果が他社と比べて悪くないレベルに落ち着いているのは素直に嬉しいです。

こうしたWebinarは、アメリカではあちこちで開催されています(有料の場合も多いですが…)。Webなので今回のわたしのように日本から参加することももちろん可能ですが、何せ時差があるので皆さん二の足を踏んでしまうかもしれません。でも、今回ご紹介したUserZoomのWebinarは無料ですし、勉強と思えば使い手があると思いませんか? 英語の勉強になるのは言うまでもありませんが、ユーザビリティ評価の結果をアメリカ人がどのようにまとめ、報告するのか、報告の中でどんな言葉や表現を使うのかといった部分もそのつもりで参加すればかなり参考になります。英語のできるユー ザビリティ屋がなかなか増えてこなくて人手が足りません。やる気のある方、ぜひこういう機会を利用して勉強してください!

ちなみに、時差を乗り越えて深夜に参加しなくても、翌日のメールでビデオが提供されますし(写真[3])、おまけに翌々日にはUserZoomのホームページでも見られるようになっていました。さらにおまけに、過去に実施されたものも全部、無料で見られるみたいです。皆さん、どうぞ勉強してください!