UXリサーチ会社のご紹介

2010年06月09日(水) 11:37

UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, ドイツ

ドイツくんだりまで行ったついでに、ミュンヘンにあるUID(User Interface Design GmbH)という会社のユーザビリティテストラボを訪ねてきました。

2008年の冬にトリノで開かれたUPA Europeの会場で、UIDのUXリサーチャーと出会ったのがご縁の始まりです。最近も一緒にお仕事をしたばかり。仲良くさせていただいています。UIDの本社は、ミュンヘンの西、フランクフルトの南に位置するシュトゥットガルトにありますが、ドルトムントやマンハイムにもオフィスを構えるなかなかに規模の大きな会社です。ユーザビリティの評価だけでなく、デザインも含めたトータルソリューションの提案を目標にしています。

ミュンヘンのユーザビリティテストラボは、電車とバスを乗り継がないと行けないちょっと(かなり?)不便なところにありました。「ユーザーさんにも遠いとか、来るのが大変だったとかって愚痴を言われるんだ…」なんておっしゃっていました。その他もろもろの事情もあって、数ヶ月以内にもっとアクセスの良いところへ移転することが決まっているそうです。

 

[1] FGI用の大部屋 [2] 小部屋は4〜5個あります [3] 機材一式は可動式

写真[1]の巨大なお部屋は、グループインタビューに使ったり、クライアントからお見えになる見学者の数が多いときには観察室として使ったりします。これの三分の一くらいの大きさの小部屋(写真[2])が複数(3〜4部屋だったと思います)あって、各部屋に天井カメラが設置されています。マジックミラーを備えた部屋は持っておらず、カメラで捉えた映像をディスプレイに映して見学してもらうスタイルを貫いているのだとか。“ミラー越しに見られているという緊張感を取り除くため”というのが一番の理由。もう一つは、マジックミラーがあったって、どうせミラー越しに観察したりしないんだから要らないってことみたい。確かに、ミラー越しに覗くのって最初だけで、結局は手近なディスプレイを食い入るように見つめるようになるのは、どこの国のお客さんも一緒ですね(笑)。でも、わざわざドイツまで行って、ミラー越しにユーザーさんの様子を観察できないのは少し残念だったりしますかね? そんな場合は、ダウンタウンにあるレンタルラボを使ってテストをすることも可能だそうです。

ちなみに、録画や映像配信用の機材は、写真[3]のような棚に一式積んであって、動かせるようになっています。観察室に使うと決まった部屋へ棚ごと運び入れてセッティングするだけ。ストリーミングもできるようになっているので、日本で観察したいという場合も対応できるそうです。ドイツまで行かなくてもイイなんて素敵(だけど、時差のおかげで夜遅くまで仕事をする羽目にはなるな…)。また、IUP(International Usability Partners)というネットワークにも参加しているので、グローバルプロジェクトの依頼にも柔軟かつ迅速に対応してもらえます。

この日、案内してくれたマネージャさん、実は奥様が日本人です。仕事の内容を日本語でやり取りできるほどの日本語力は残念ながらないようでしたが、日本の企業や日本人に対する理解は普通のドイツ人よりも深いに違いありません。帰りにお土産くれたりしたし(笑)。

以上、ドイツにあるUXリサーチ会社のご紹介でした。関心をお持ちの方は直接連絡を入れてみてください。わたしを介する必要はありません。もちろん、介していただいてもOKでっす。