創業昭和6年たいめいけん
2010年06月29日(火) 17:17
UXいろいろ, 日本発信四方山話, 東京, おいしいモノの話, モノ+コトの話少し前の話になりますが、札幌に住む母が遊びに来ました。そしてどうしても“たいめいけん”のオムライスを食べに行きたいという言うので、わざわざ朝ご飯を抜いて二人でお出かけです。なんでもスゴイ老舗で、今は3代目が切り盛りしている超有名洋食レストランだそうです。テレビで紹介されていたんだとか。1階は大衆食堂風で値段も手頃、2階はキッチリ洋風のレストランでイイお値段、そしてホームページには書かれていませんが、我々のような庶民は足を踏み入れられない3階が実はあって、要人の接待などに使われているらしいです。
看板料理は昭和初期から受け継がれてきたオムライス(写真[1])。手頃な値段で提供されているという1階でも1,650円というなかなかのお値段です。2階に上がるとそれが2,100円になります。まったく同じメニューなのかどうか、ホームページには何も書かれておらず、もしかしたら“2階で食べる”というエクスペリエンスだけで450円も高くなっているの?と思いましたが、帰り際に店員さんに聞いたところ、お肉や卵などの素材を1階と2階で使い分けていて、450円の値上がりはその食材の分なのだそうです。
わたし達、奮発して2階でランチコースを食べたのですが、“エクスペリエンス”だけでお金をとれるほどのものではなかった…というのが実は正直な感想です。お料理は美味しかった。食べ比べたわけではないから1階と比べてどうとは言えませんが、確かに美味しかったです。でも、ウェイトレスさんは客の状況をぜんぜん見ていないし、前菜4品の盛り合わせに使われていたお皿(写真[2])は安定が悪く、ナイフを入れるたびにガチャガチャ音がしました。お昼時で忙しかったせいもあるとは思いますが、質問しても丁寧に答えてくれる感じではありませんでしたし。食事を終えて店の外へ出ると、1階の席が空くのを待つ人の列ができていました(写真[3])。平日でこれだと、週末はどんなことになるのでしょう? 昭和初期から守り続けてきた味の評判は確かなもので、これだけの人を呼ぶだけのことはありました。でも、“たいめいけんで食べる”というエクスペリエンスの価値をさらに上げるべく、フロアースタッフの再教育や食器のチョイスなどを見直してみる必要もあるのではないでしょうか?