会場地図のユーザビリティ

2010年06月07日(月) 18:07

UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, イベントの話, サインやUIの話, ドイツ, モノ+コトの話

UPAへ行くたびに思うのですが、ユーザビリティ屋がこれだけ集まって企画・運営している学会のくせに色々と分かりにくいんですよね。

 

[1] 分かりにくすぎる会場地図 [2] 所々に配置されるボード

今回とくに酷かったのは、会場の見取り図です(写真[1])。ホテルから渡された見取り図に、必要と思われる情報をテキストで適当に書き込む程度で済ますのは、日々ユーザビリティがどうのと言っている人たちがやることとしてどうなの?

ホテルのメインビルディングの1階(Ground Floor)と中2階(Mezzanine)、1階でのみ繋がっている隣のビルの1階(Ground Floor)と2階(Second Floor)に部屋が分散していて、所々に置かれている地図(写真[2])を見ながら目的地へと向かうのですが、最終日になってもまだ迷うくらいに分かりにくくて本当にイライラしました。イラっとしているのは短気な私だけではなく、皆が文句を言っていた。地図の前で固まっていたら「どこに行きたいの?」と声をかけてくれる人が必ずいるくらい(笑)。

そもそもの地図も分かりにくいのですが、テキストの書き込みで余計に空間把握が難しくなっています。ほとんどすべての情報が同じフォント、同じ大きさで書かれているし、引き出し線(・・・)はどの部分を指しているのかはっきりしないし。部屋の名称の書き方も統一されていません。大きな部屋で枠内に書き込める場合は書き込んでいるけれど、スペースがない場合は引き出し線を使って地図の外に表記したり。おまけにホテルに付随する部屋や設備の名称と、UPAに関連する情報(“ここでポスター発表をやっています”とか、“受付はここです”とかいう情報)とが混在しているので(しかもやはり同じフォントと大きさのテキストで)、地図を見ているうちに、自分がどんな情報を探していたのかを忘れてしまうくらいに混乱します。

さらにおまけに、各階の地図の左上にオレンジ色で書かれた“Mezzanine” “Ground Floor”という表記が混乱をさらに助長。“Mezzanine”の地図(上の地図)にはメインビルの中2階と隣のビルの2階の情報が、“Ground Floor”の地図(下の地図)にはメインビルの1階と隣のビルの1階および中2階の情報が表記されているのです。空間を知らないと何の事やらさっぱり分からないかもしれませんが、とにかく全然分からなかったのですよっ。

情報は構造化したり、分類したりして示すようにといつもクライアントに言っているであろう人が作ったモノだと思うとイラっとを通り越して、呆れてしまいますね。本当に残念です。会場の所々に配置するボード(写真[2])に現在地表記(“You are here!”)をするくらいでも格段に情報を掴みやすくなると思うのですが…。会期中、ボードは置きっぱなしなのだから、前日の準備段階でどのボードをどこに置くか決め、赤くて丸いシールでも貼って、手書きでもイイから“You are here!”って書きなさ〜い。わたしに準備、やらせろ(笑)。