本当に洗浄済なのか?

2010年01月21日(木) 23:13

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 静岡, サインやUIの話, モノ+コトの話

昨夜、アメリカからのお客さんと一緒にお食事をしました。初対面だったのですが、間もなくトイレの話で盛り上がるくらい、あっという間に二人ともリラックスし過ぎ(笑)。で、どんな話に花が咲いたかと言うと、アメリカ人が初めて日本に来て気付くことと言えばやはり、お尻洗浄機です!

– 日本人はなぜあんなモノにお金をかけるんだ? 
– 尻を洗う機械を付けるよりテレビとか付けるほうが良くないか? 
– 水量とか水温とか調節できるんだぞ、知ってたか?

などなど、止めどなく出てくる質問に答えるの大変でした。他にも、なんで白い車ばっかりなんだ?とか、地下鉄に乗るのになんでキレイに並ぶんだ!とか、違う文化で生きてきたアメリカ人が日本という国を(正確に言うと“東京”に限定されますが…)見たときに何を思うのか、こうやってたまに話を聞くとすごく勉強になります。

そんなわたしがお尻洗浄機について思うこと。やっぱりなんとなくあまりキレイな感じしなくて、自宅や実家ならともなく公共トイレでお尻を洗うってのは実はしたことがありません。ホテルや旅館でも正直すこし躊躇ってしまうかな。普通の使い方をしていればノズルが汚れるはずないし、自動的にノズルを洗浄する機能がついている機種も多いから心配いらないと思いつつ、なんとなく抵抗を感じます。気持ちの問題だけですが。

 

[1] 某旅館客室のトイレ [2] ノズルの洗浄済んでます!

写真[1]は伊豆にある某旅館にお泊まりしたときに客室のトイレで撮影しました。館内のトイレにはTOTOさんのウォシュレットが完備。日本では見慣れたリモコンなので使い方に迷うことはありません。でも、張り紙が気になりますね(写真[2])。

“ウォッシュノズル洗浄済ですので安心してご使用下さい””

日本のホテルや旅館のトイレでは、“消毒済み”と書いた紙を便器のフタに付けることで“きちんと掃除して、消毒したから、安心して使って大丈夫ですよ〜”ってことをわざわざ教えてくれてたりしますよね。そんな紙が付いていなくてもトイレばっちり掃除してくれているのだろうけど、きっちり掃除しましたよ!と明示してくれるだけでユーザーとしては気持ち、安心する。そのくらい気持ちの問題です。ウォッシュレットのノズルについても、“洗浄済”と明示するだけで安心感がぐっと上がるというわけです。そんなユーザーの気持ちに気付いたこの旅館、なかなかです。点数かなり上がりました。

しか〜し、同じ断り書きを1階ロビーにあるトイレでも見つけてしまったのだった。う〜、これは残念。だって、客室のトイレと違ってロビーのトイレはお客さんがどんなタイミングで、あるいはどんな頻度で使うか分からない。ということは、誰かが使うたびにノズルの洗浄をしたりはしない、というかできないですよね? つまり、せっかくの気配りの信憑性がいっきに下がったということです。ロビーの但し書きを見た途端、客室の掃除も不安になる。いやそもそもノズルはキレイなんだって!という話なんだけど、上手な但し書きも使い方(付ける場所)を誤ると逆に効果が下がりますよ、という事例でした。

とりあえず、お尻洗浄機が世界標準になる日を楽しみにしましょう(ならないと思うけど…)。