歩道を分け合う作戦

2009年10月14日(水) 19:28

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 東京, サインやUIの話

自転車を買いました。高いの買っても盗られるので(笑)、盗られても諦めがつきそうなママチャリを2台。週末には、そのママチャリに乗って近所を散策したりしたいな、と。がんばれば築地や銀座、お台場あたりにも自転車で行けそうなので、運動不足解消も兼ねてぜひ、いつかきっと。最近はもっぱら、豊洲にあるショッピングモール(ららぽーとTOKYO-BAY)やホームセンターなどへ生活用品の買い出しに行くときに乗っています。

 

[1] 自転車は車道寄りへ(1) [2] 自転車は車道寄りへ(2) [3] 自転車は車道寄りへ(3)

写真[1]は、まさにららぽーとへ向かうときに通る歩道です。“自転車は車道寄りを走行しなさい!”と深川警察署からのお達しが路面に印字されています。オランダやアメリカでは、車道の一部、歩道寄りの部分を自転車道としているところが多かったですが、日本では歩道を歩行者と自転車で分け合おうということのようです。

写真[2]は、八丁堀のあたりで見かけたやはり警察署からのお達し。ここも歩道の半分、車道寄りを自転車用にしましょうということになっています。

最後の写真[3]は東京駅の近くの歩道だったと思います。自転車は車道側を走り、歩行者は建物側を歩くようにしましょう!という標識が歩道の上に掲げられていました。歩道にも中央に白線を引いて左右を分け、さらに路面の色を標識の色と合わせて左右違うものにするという細かな工夫。でも効果なし(笑)。前方から、そんなルールにまったく気づいていないと思われる人が自転車に乗って、建物側を悠々と走ってきます。

歩道を分け合う作戦は、あまり上手くいかないと思うんですよね。というのは、オランダのようにひっきりなしに自転車が行き交うのであれば、自転車専用スペースとして認識されるようになるかもしれません。しかし、自転車がまったく通らないような時間帯に、いつ現れるとも分からない自転車用にと歩道の半分を空けておくのは非効率です。特に朝晩の通勤時間帯など歩行者がどっと増えたときには、歩行者がルールを守るわけがありません。そうしてなし崩し的にそんなルールはなかったことに…。かと言って、車道の脇に自転車道を設けるようなことも、日本では難しいのでしょうか?

詰まるところ私が言いたいのは、日本ではどうして欧米のように車道の脇に自転車道を設ける方向に話が進まないのかな〜、ってことです。確かに、子供と二人乗りとか三人乗りとかしているママチャリのお母さんたちが車と並んで走る絵は想像しただけで怖いですけどね(笑)。でも、オランダの母さんたちなら大丈夫な感じがする(というか実際に大丈夫な)のは、やはりデカくて頑丈な身体をお持ちだからでしょうか?

★—–追記(10月15日)
古田@道具眼さんから情報いただきました。

 自転車は軽車両に属するから例外的に許可された歩道(歩行者と自転車の描かれた青標識がついてるとこ)以外は走行しちゃダメ(子供と高齢者、身障者を除く)。
 で、この表記は去年の6月に改正された道路交通法で定義された「普通自転車通行指定部分」というヤツを示している。こうして自転車通行可能な歩道の中でも、ちゃんとゾーン分けをしようという動きは最近なわけだね。どういう条件(例えば一定の道幅)でこうすることが決まってるのかまでは知らないけど。

なるほど、昨年の道交法改正を受けて、広めの歩道を確保できているところは歩行者と自転車で分かち合うことにしましょうってなったのですね。どんな議論を経てそういう流れになったのか気になるところではありますが、やっぱりこのままでは、ルールが徹底されることはなさそうだな…。