警察から電話…

2009年06月22日(月) 06:44

UXいろいろ, アメリカ縦横無尽, パロアルト暮らし, ヒトについて

ヒトの頭と心が、信じたくないことをいかに必死に拒絶するか、目の前の現実を受け入れなくて済むよう無意識に努力するかってこと、体感しました。

 

[1] 自転車盗難届サイト [2] 残り2ヶ月は中古車で我慢 [3] さらば愛車たち

前日確かに自転車を置いたところに私たちの自転車がないのです…。チェーンの錠を自転車置き場のぶっといポールに巻き付けたうえ、2台のタイヤももう一つのチェーンでつないでおいたのに、鍵も含めてキレイさっぱり忽然と、ものの見事に跡形もなく、私たちの自転車は消え去っていました。

– 結局ここに停めるのは止めにして反対側に停めたんだ、私たち!
– 放置自転車、駅の人が片づけたんじゃない?
– そもそも自転車でここまで来た? 歩いて来なかった?


ちがうちがう、どれも違う。自転車は確かに盗まれたのだという現実を認めるまで10分くらいかかりました(笑)。やっとの思いで事態を認識し、旦那はバスで大学へ、私は盗難届を出すために重たい心を引きずりながらトボトボと警察へ向かうのでした。

警察で言われたとおり、自転車2台のライセンスナンバーを調べ(自転車についてきたマニュアルのようなものに書いてありました)、自転車の盗難届専用サイト(写真[1])で盗難届を提出。ウェブで盗難届を出せるようになっているなんて、なかなかやるなアメリカ警察。と思ったけど、ミドルネームの記入が必須ってのはどうよ? 空欄のままにしたらエラーになってしまいました。まったく、こんな小ネタでも拾わないとやってられないよ…。

盗難届の提出が済んで、なんとか状況を受け入れた後、次はこの現実が不幸中の幸いだったと思えるように心は努力するようです。


– 夜遅くに自転車をとりに行って、襲われたりするよりはマシだったよね。
– 車じゃなくてよかった。自転車ならなくても生活できるけど、車ないのは無理だもの。
– オランダで空き巣被害に遭ってパソコン盗られた学生に比べれば、自転車でよかった。
– (少し前に盗まれた)ライト、買わずにおいてよかったね。
– 日本でも使おうと思ってたけど、日本では安いママチャリのほうが使いやすいよ。


…ポジティブ・シンキングって、意外と簡単ですよ(笑)。

と、夫婦で必死に気持ちを切り替えようとしていたある日、旦那の携帯電話に警察から電話がかかってきました! 神妙に話を聞きながら旦那がメモをとったりしています! もしかして見つかったの? 絶対にあり得ないと思っていたのに見つかったのね〜〜〜やるじゃないかアメリカ警察! と、私の期待は膨らみに膨らんで爆発寸前。しかし、電話を切った旦那のテンションは低いまま。

駅の駐輪場は警察じゃなくて駅警備の管轄だから駅事務所の方に盗難届を出し直すように、というなんとも気の抜ける内容の電話でした。期待させておいて、管轄違いかよっ。アメリカも案外縦割りなのね…。

写真[2]はちょうど引越を控えているという日本人のご夫婦から安く譲ってもらった中古自転車。あと2ヶ月あまり、ガンバッテ走ってもらいましょう。写真[3]は、短い付き合いだった私たちの愛車。オランダで雨風雪を共に過ごした愛車を失った旦那曰く、「これでキレイさっぱり、オランダとはお別れだ」だって。これもポジティブ・シンキング?