Voices That Matter

2009年05月01日(金) 05:46

UXいろいろ, アメリカ縦横無尽, イベントの話, サンフランシスコ

New Ridersという出版社が主催する“Voices That Matter”という学会に参加してきました(写真[1])。開催地はサンフランシスコ。毎朝7時に家を出て、電車で通うというなんだか懐かしい生活を3日間繰り返し、今週はすっかり疲れてしまったのでした。電車の話はまた今度書くことにして、今日は学会の報告を少々。

 

[1] 学会受付と朝食 [2] お馴染みの名前がズラリ [3] Steve Krugがその場で評価

スピーカーは全員、New Ridersから出ているWebデザイン関連書籍の著者でした。『ウェブユーザビリティの法則(原題:Don’t Make Me Think)』のSteve Krug、『ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」(原題:The Elements of User Experience)』のJesse James Garrett、『インタラクションデザインの教科書(原題:Designing for Interaction)』のDan Safferなどなど、日本でもお馴染みの方たちがお揃いでした(写真[2])。こんなに面子が揃うのはアメリカでもなかなかないと思うので、ミーハーな方には特にオススメの学会です。今年で3回目。毎年開催しているそうなので、ご興味のある方は来年どうぞ。

さて、今回の学会で私が一番楽しみにしていたのは、Steve Krugが行う“Stump the Chump”というイベントです(写真[3])。ウェブユーザビリティの大御所(身体もデカイ)Steveが、初見でウェブサイトを評価してくれるというもの。聴衆が評価して欲しいウェブサイトのURLを紙に書いて提出し、その中からSteveがランダムにサイトを選んで、その場で評価をするのですが、今回は大変残念なことに、お近くのカリフォルニア大学バークレー校から大勢の参加者が来ていて、Steveが選ぶサイトがことごとくバークレー関係のサイトになってしまうという好ましからざる状況に陥りました。会場からも超ブーイング。Steveは、「バークレー関係者しかいないんじゃないのか?」くらいなことを言って、会場を沸かせていました(笑)。

実際にSteveがどんな評価をしたか。
ホームページを眺めながら、フォントサイズやコントラストの問題、タブの使い方、ナビゲーションの作りや配置、言葉遣いなどについての問題点、逆に“正しく”できているところなどを指摘。類似サイトや競合サイトのリサーチをしっかりやること、ターゲットユーザを呼んでユーザテストをすることがいかに重要かという話を途中で差し挟んだり、会場に意見を聞いてみたりなんかもしながら軽快に評価が行われました。ちなみに、Steveの持ち時間はほんの45分。1サイトに10分弱の時間を使って、大急ぎで5サイトを評価した感じです。

Webにつながる会場と、即席評価をできるユーザビリティ・スペシャリストがいればできるイベントなので、日本でもやってみたら面白いかもしれませんね。でも、私はプレゼン苦手だし、上がり症なのでパス。それに、Steve Krugのように、何を言っても誰もが納得するようなネームバリューがある人じゃないと、観客が集まらないかな? 学校の授業でやってみるという手もありますかね? そのくらいならお手伝いできるかな…。