Steve Krugのトークから

2009年05月03日(日) 14:10

UXいろいろ, アメリカ縦横無尽, イベントの話, サンフランシスコ

Steve Krugは、昨日ご紹介した即席ウェブサイト評価のイベントとは別に、「21世紀に入ってから学んだこと(原題:What I Have Learned So Far in the 21st Century)」と題するトークもしてくれました。仕事の参考になりそうなことが満載だったので、今日はそれをご紹介します。

 

[1] プレゼンの様子

▼Krugが学んだこと(1)
いきなりで恐縮ですが、メモを見ても思い出せないのでパス(笑)。ゴメンなさい。

▼Krugが学んだこと(2)
ユーザテストが物を言う。
初版に書いたときは、ユーザテストが物を言うと“信じていた”だけだったが、今ならそう言い切ることができる。

▼Krugが学んだこと(3)
伝えたいことがあるときは、声を“必要以上に”大きくするべし。
サイトを作るときも、ユーザに見逃して欲しくないところはガッツリ目立たせること。

▼Krugが学んだこと(4)
ユーザビリティテストの結果をレポートにまとめるなんて時間の無駄。
定量評価ならレポートにすべきだが、定性評価であれば、テストを実施したその日のうちにプレゼンテーションをしてクライアントに所見を伝えてしまおう。そうしたほうが断然はやいし、何より“レポートを書く”という嫌いな仕事をしなくて済む。

▼Krugが学んだこと(5)
重要な問題点(3〜5個)にフォーカスして報告すること。
どうせ全ての問題点を修正することは不可能だし、あれもこれもと報告すると、修正しやすいところばかりが修正されて、重要な問題点が先延ばしされてしまう場合が多い。 ただし、1人で15分以内に修正できて、他者の許可無く直せるような問題点は例外。

▼Krugが学んだこと(6)
もっとも簡単に修正する方法を探せ。
リデザインするような大掛かりなことはせず、少し手を加えるくらいで直す方法はないかどうかを考えよう。変更後の検証もお忘れなく。

▼Krugが学んだこと(7)
数字が結局物を言う。
Google analyticsを使ってユーザの動きを確認し、Google optimizerを使って競合サイトとの比較評価を継続的に実施することをクライアントに勧めよう。幸いどちらも無料で使えることだし。


(4)あたりを読んで、めちゃくちゃ頷いている同僚の顔が浮かびます…。しかし、これはクライアントによるでしょうね。特に納品物という物理的なモノがないと決済しにくい、という会社が日本には多いような気がしますし。

(7)は少々目からウロコでした。自分のホームページにもGoogle analyticsを導入していますが、ウェブのユーザビリティ評価を実施した後、改訂の結果、どんな効果が出ているかを数字で確認するためにこれを使うのは便利かもしれません。ウェブサイトの評価を請けるときには、Google analyticsを導入してサイト改訂後の効果を確認するとか、Google optimizerを使って改善案を比較評価するなどしてみてはどうでしょうか。(ウェブ業界ではとっくに活用済みだったりとかするかもですけど…。)

(5)は、けっこう難しいなぁ、というのが正直な感想。日本企業の場合、せっかくお金を払って調査したんだから、大も小もあわせて、とにかく問題と思われるところは”漏れなく”報告するのが当たり前!と考えられる傾向がある。こちらの”手抜き”と思われないように、大事なところにフォーカスして報告するってところのコンセンサスを事前にとっておかないと面倒なことになりそう。その分、割引って言われるとなんか腑に落ちないですけど…。

(1)が判明したら(思い出したら)、追記します。その日が来なかったらゴメンなさい。