『考える人』三連発

2009年05月15日(金) 01:29

アメリカ縦横無尽, スタンフォード, パロアルト暮らし

『考える人』と言えば、オーギュスト・ロダンですね。

 

[1] ロダンの『考える人』 [2] 『地獄の門』にも『考える人』 [3] パプア版『考える人』

スタンフォード大学には、ロダン彫刻庭園(Rodin Sculpture Garden)というのがありまして、ロダンの大作の数々を(ほとんどレプリカではありますが…)惜しげもなく無料で公開してくれています。

“庭園”と言うだけあって、多くの彫刻が外で日光浴をしていますが、『考える人』は、併設のカンター美術館(Cantor Arts Center)ロビーで一心不乱に考え事をしています(写真[1])。

ちなみにこの『考える人』、同じくロダンの傑作『地獄の門』の一部分を切り出して拡大したものが原型なので、『地獄の門』の中にも『考える人』がいらっしゃいます(写真[2])。さらにちなみに『地獄の門』は、ダンテの『神曲』に登場する門(のイメージ)が原型なのだそうです。傑作が傑作を呼んでいる感じ。

さらに話は脱線しますが(笑)、スタンフォードには、パプアニューギニア彫刻庭園(Papua New Guinea Scalpture Garden)というのもありまして、そこには、パプアニューギニア版『考える人』がおられます(写真[3])。遠い昔、パプアニューギニアの地に突如現れた神様は、粘土をこねて人間を創造しようとしていましたが、最初に出来た”人間”は失敗作でその”人間”の身体は粉々に砕け散り、神様の足下に散らばってしまいましたとさ…という感じの伝説があって、パプアニューギニア彫刻庭園を造ろうとしていた人たちがロダンの『考える人』を見たときに、自国に伝わるこの昔話を思い出し、多少アレンジを加えてパプア版『考える人』ならぬ『考える神様』を作成したのだそうです。ロダンのものよりもユーモラスな雰囲気で、真剣に考えているんだか、いないんだか微妙な表情が何とも言えないと思いませんか?