駐米大使ご来校

2009年04月22日(水) 07:00

UXいろいろ, アメリカ縦横無尽, イベントの話, スタンフォード, パロアルト暮らし

各界の要人がスタンフォード大学を訪れて講演会を行うのは珍しいことではありません。卒業生だと、呼びやすいですよね。つまり、多くの卒業生が、スタンフォードで培った知識と経験と人脈を生かして、世界各国の政府やビジネスを支える貴重な人材になっているということです。スタンフォードって、やっぱりスゴイ大学なんだ。たった半年とは言え、そこに籍を置くチャンスを得た旦那が羨ましい。

 

[1] 駐米大使の講演案内 [2] データシート [3] 新幹線はスゴイのだ

そして私は、おこぼれを逃すまいと日々鼻を利かせています(笑)。

今回、藤崎一郎駐米大使が来校されて、世界における日本の立場、経済危機や地球環境問題などに対する日本の取り組みについてお話をされるという情報(写真[1])が回ってきたので行ってみました。官僚のお話を直に聞くチャンスなんてなかなかありませんから、逃す手はありません。

若かりし頃、スタンフォードで英語、フランス語、そして政治学を学んだという大使の話は、当時、1年生向けの学生寮に入れられ、1年生に交じって枕投げをする羽目になったという思い出話から始まりました。序盤で軽く笑いをとって聴衆をリラックスさせるなんて、さすが話し慣れているという感じ。その後、お手製のデータシート(写真[2])を配って、食糧自給率、エネルギー自給率、GDP、二酸化炭素排出量、国連への貢献度、政府開発援助額などの数値をアメリカはじめ主要各国のそれと比較しながら、日本の立ち位置を丁寧に紹介されました。特に、二酸化炭素排出量は主要先進国の中ではダントツに少なく、過去25年間その順位は変わっていないということを強調。それは、整備の行き届いた鉄道網の存在に負うところが大きく(写真[3])、代替エネルギー生産量を3年間で倍増し、公共投資を行うことで約50万人の雇用を創出することを目指すオバマ政権に手本を示すことができるのは日本をおいて他にないということを力説されました。母校でのちょっとした講演でも、こういう立場の人は手を抜くことができないし、言うべきことは漏らさず言わなければならない。出所不明の話をして日米関係が悪化しようものなから国単位で困った状況に陥るわけですから、データシートを片手に話をするというのも、国を代表する立場だからこそ大切なことなのですね。

講演の間、最前列に座られた奥様は、頷いたり、ときには後ろの聴衆の様子を伺ったりしながらご主人の話を聞いておられました。肝心のデータシートが大使の手元にないというハプニングが途中ありましたが、それに気が付いて即座に手渡しに行ったのも奥様でした。内助の功ってやつですよぉ。素敵でした。でも私にはマネできないな…。

講演終了後の歓談では、アメリカ人らしき方が日本人のお知り合いをつかまえてお喋りをされていました。通りがかりに聞こえてしまったのですが、「日本人っていうのは、グラフを作るのがウマイよなぁ〜」みたいなことを言ってました。そこじゃないだろう、食いつくところは!って感じです。しかもそんなに上手じゃないと思うんですけども…(笑)。