合理的な郵便システム

2009年03月02日(月) 05:43

UXいろいろ, アメリカ縦横無尽, パロアルト暮らし, モノ+コトの話

写真は、アパートの1階にある郵便受けです。日本のマンションやアパートで見かける郵便受けと似たようなものですね。郵便受けの下には、大家さんが用意してくれた大きなゴミ箱があって、不要なジャンクメールを捨てられるようになっています。

 

[1] アパートの郵便受け

日本だと、郵便受けの投入口には誰でもアクセスできるようになっていて、郵便物やチラシなんかをポンポン放り込めますが、私たちが住むアパートの郵便受けにはガッチリ鍵がかかっていて、その鍵がなければ郵便を届けることも、受け取ることもできません。大家さんも鍵は持っていないらしく、アクセスできるのは郵便屋さんと住人のみです。

はて? 郵便屋さんは一戸一戸の鍵を開けて各戸に郵便を届けるのでしょうか? 大家さんの話によると、郵便屋さんが持っている鍵を使えばおもて面全体がパカッと開くのだとか。しかし、大家さんも自分で開けたことはないので正確なところは分からない、というのが正直なお話だそうです。

はてはて? 郵便屋さんと住人しか鍵を開けられないのに、なんでジャンクメールが入るんだ? 周辺地域の情報紙、ピザ屋や近所のスーパーの広告などが結構入ってきます。これらも郵便屋さんが配っているってことですかね? 

FedExなどの宅配屋さんは郵便受けの鍵を持っていないので、ドアホンを押して住人に鍵を開けてもらい玄関口まで荷物を届けなければならないから大変です。ちなみに、先日Amazonから届いた荷物は、郵便受けの上に放置されてました…。そういうのもアリの国のようです。

もう一つ、日本の郵便システムと大きく違うところ。ちょうど真ん中あたりに“Outgoing mail”と書かれた部分があるの分かります? 通常の郵便受け二つ分を占拠した少し大きめの箱です。そこには細長い投入口があります。何か出したい郵便があるときは、ポストや郵便局まで歩くことなくここに投函すれば郵便配達に来た郵便屋さんが持って行ってくれる、という仕組み。もちろん切手を事前に貼っておく必要はありますが、どうせ郵便屋さんがここまで来るのだから、配達するだけでなく、集荷もしてしまおう!という、合理性を追求する国だからこそのサービスではありませんか。便利です。町であまりポストを見かけないのも納得。ビデオやDVDの宅配サービスがうまく行くのは、郵便屋さんが軒下まで集荷に来てくれるこの仕組みがあるからかもしれません。