かわいくないお年寄り
2009年02月14日(土) 22:44
UXいろいろ, 日本発信四方山話, 東京, ヒトについて日本にいる間にいくつか荷物を送りたくて郵便局へ行きました。
ゆうパックの封筒を買って、パッキングしていると、和服を着たいい感じのおばあさんが私の横に来て身支度を調え始めました。窓口での用事が済んで、帰り支度をしていたようです。少し白髪が混じった落ち着いた感じの素敵な”おばあさん”に見えました、そのときの私の目には。ショールを羽織った後に、少し絡まったイヤホンをほどいて耳に差し込んだりしています。和服だったことに加えて、歩きながら音楽を聴くような年代には見えなかったのと(音楽とも限りませんし、見た目や年代でそういう先入観を持つことは間違っているのだろうけど、正直なそのときの私の気持ちとしては”意外”だった)で、少し気になって意識が向いてしまいました。ついつい観察してしまうのは、あまりよくない職業病かもしれません(笑)。
そんなときです、事件が起きたのは。たまたま郵便局に某かの用事で来ていた警察官のお兄さんが、そのおばあさんに声をかけました。はっきり聞こえなかったのですが、状況から推察すると、椅子を勧めたのではないかと思います。そんな警察官の優しい言葉に、彼女はこう応えました。「結構です。わたくし、あなたが考えているような年寄りではございませんの」と。
久々の日本で、日本人に大きく失望する瞬間でした。
年寄り扱いされることに抵抗を覚えるお年寄りはきっとたくさんいると思うけれど、お巡りさんが声をかけたのは善意にもとづいていたはず。そういう善意に対して、たとえ心の中で「大きなお世話だ、若造!」と思ったとしても、その若造よりも長く生きている人生の先輩として、先のような対応はよろしくないのではないだろうか? このときのやり取りのおかげで、お年寄りに席を譲ったり、勧めたりすることに彼は抵抗を感じるようになってしまうかもしれない。それってすごく残念なことではありませんか? そんなことまで考える余裕や配慮がないからこそ、大きな声で「私は年寄りではない」と言えてしまうのだと思いますが、「ありがとう。でもすぐに行きますので」とか、「お気持ちだけで結構です」とか、何か言い方はありますよね?
朝の出来事だったので、一日ずっと不愉快だったけれど、反面教師と思うしかないかな? 素直に“ありがとう”と善意を受け入れられるカワイイおばあさんに私はなりたいなぁ。
全然関係ないですが、写真は日本で引き続き満喫中の和食のみなさん。[1]は昨日カットされたラーメン。[2]は大好物のカレーうどん。そして、[3]は今晩泊まっている温泉旅館の夕飯で出た金目鯛ご飯。日本のお米はピカピカ光っていて、見た目も美味しそうだし、食べても美味しい。オランダの中華食材屋で買っていたその名も“真珠米”はどんよりしてたなぁ〜(笑)。