2020年6月の読書記録

2020年07月17日(金) 18:47

本&映画の紹介

夏休みのおかげで読書が捗りました。小説が多めになってしまったけども。

紙本の積読が少なくなってきたせいか再読本が多めになりつつある。再読して気づくこともあるし、小説はふつうに楽しめるし、スウェーデンに缶詰めになっている間に気になっているものをドシドシ再読していこう。紙本の積読をゼロにするのが先だけどね。

ちなみに『記憶破断者』は二度目にしていまだに謎が残っているという……。頭悪いのか私?  『相田家のグッドバイ Running in the Blood』がなにげにオススメです。森博嗣さんっぽくなかったけど。



読んだ本の数:13
読んだページ数:3798
ナイス数:59


ハードウェアハッカー ~新しいモノをつくる破壊と創造の冒険ハードウェアハッカー ~新しいモノをつくる破壊と創造の冒険
買ったは良いけれど、ハードウェアをハックする予定がまったくないので棚上げしていた本。山形浩生さん監訳でなければ読了できなかったにちがいない。実際に工場でモリモリプロダクトが作られる状況を実はほとんど知らないので、それでいきなり深センというのは背伸びをし過ぎた感があるけれどとても勉強になりました。“中国に行ったら自動的になんでもきちんとやってくれるなんて、期待するほうがおかしい”と言い切る著者の実体験にもとづくアレコレとても参考になるけど、豚インフルエンザをハックする話が出てきて背筋がブルッとしました。
読了日:06月02日 著者:アンドリュー“バニー”ファン

みんなの恋愛映画100選みんなの恋愛映画100選
「あー、コレは若い頃に見た映画だ!」と思ったものはほとんどヒュー様の映画だった笑。そう、わたしはヒュー様のファンだったのである。『みんなの映画100選』のほうはもう少しイラストでタイトルを想起できるものがあったけれど、恋愛映画になるとほとんどダメ。恋愛映画を見るタイプじゃなかったんだわたし。そう、ヒュー様のもの以外は。しかし、『ノッティングヒルの恋人』と『ラブ・アクチュアリー』をもう一度見たくなってきてしまったぞ。
読了日:06月03日 著者:山瀬まゆみ,小川知子,中村志保

Syskonvecka Syskonvecka
Lundの図書館で借り読み。仲良しのKaninisがお母さんのところにお泊まりに行ってしまって、遊び相手のいなくなったRussin。火をおこし、パーティを企画して、リンゴンベリーを摘んでKaninisの帰りを待ちますが、なかなか帰ってきません。待ちきれずに迎えに行ったら行き違い。ひとりぼっちの帰り道は行きの倍にも感じる長さでした。という、兄弟愛いっぱいのスウェーデン語の絵本でした。お姉ちゃん大好きの甥っ子のことを思い出してしまいました。仲良く元気にしてるかな?
読了日:06月09日 著者:Matilda Ruta

ファスト&スロー (上)ファスト&スロー (上)
大昔に読んだけれど、紙で再読。期待どおりというか、記憶どおりというか、セミナーで活用できそうなお話の宝庫でした。速い思考(システム1)と遅い思考(システム2)の2つで人間の認知過程はだいたい説明できてしまうというかんたんな話だけど、書き方がよく言えばていねいで、悪く言えば冗長なため、大事なところを選別して記憶の引き出しに入れる作業がなにげに大変。各章ラストにあるその章のテーマを知った風に喋りたいときの使い方があらためて読んでみるとおもしろいけど、活用しているのを耳にしたら吹いてしまいそう笑。
読了日:06月12日 著者:ダニエル カーネマン,村井 章子

【2019年ビジネス書大賞 大賞】AI vs. 教科書が読めない子どもたち【2019年ビジネス書大賞 大賞】AI vs. 教科書が読めない子どもたち
『危険な読書』からの選抜6冊目。東大合格を目指すAIの東ロボくんが今どのくらいまでになっているのかを共有しつつ、その研究過程で判明した子どもたちの読解力不足の現状を調査データをもとに解説してくれるわけですが、総論としては興味深いし勉強になる。でも結局どうすれば読解力をあげられるかはまだ示せず、自らの読書体験と照らし合わせて「多読ではなく精読、深読」にヒントがあるのかも…と「予感めいたものを感じています」と書いてしまったところで本書の価値は急降下してしまいました。予感ってなんやねん怒。
読了日:06月14日 著者:新井 紀子

How to be Swedish: A Quick Guide to Swedishness - in 55 StepsHow to be Swedish: A Quick Guide to Swedishness – in 55 Steps
Lund暮らしをはじめて間もない頃に読んでからあと数ヶ月で丸2年になろうとしてる。再読してみたら、立派にスウェーデン人化できている項目が結構あって笑えました。スウェーデンとスウェーデン人について、この本の項目にそって一度まとめてみようか(なんのために?)。来週、ダーラナへ行ってダーラナホースを買って、また一歩スウェーデン人らしくなろう。
読了日:06月17日 著者:Matthias Kamann

忌憶忌憶
短編1話目で二吉がふつうの大学生どころか面倒見の良いしっかり者であったことを知り、前向性健忘症なる病気を患ってしまったのはなぜなのか?とソワソワしながら読んだら、思いっきり藤森のせいやないかーい怒!ということが判明。第2話の人格乗っ取られる話も引き続きゾクゾクするが、第3話で前向性健忘症になった二吉の物語が始まるのでそれどころではなくなる。記憶を失っている二吉とともに追いかけるの必死。そしてモヤモヤしたままの読了。きっと色々な謎が『記憶破断者』の再読でクリアになるに違いない!忘れる前に速攻読み始めよう。
読了日:06月19日 著者:小林 泰三

記憶破断者記憶破断者
『忌臆』を読んでからの再読。これでいろいろ謎が解けるぞと。しかし、二度目にしても普通に雲英の悪行には吐き気がするが、コイツがなぜこんなになってしまったのかと生い立ちが気になる。とか、2回目だからと余計なことを気にしていたら、またやられた。読み終えてなお謎がたくさん残っている。「自分は殺人を犯した」はいったいどのタイミングで「今、自分は殺人鬼と戦っている」になったんだ? 夏生なる人物はどこいった? 冷凍庫の死体は結局誰やねん? とか謎を追ってて閃いたけど、『垝臆』の時間設定のほうが『記憶破断者』よりも後か?
読了日:06月21日 著者:小林 泰三

ファントム・ピークス ファントム・ピークス
何をきっかけに購入したのか完全に忘れたまま、つまり内容の手がかりまったくない状態で読み始めての一気読み。スウェーデンの山奥の電波も届かないところで読んでいる自分を途中で何度か呪うくらいにビビる展開でしたが、「人間はもっとずかずかと山や森へ入るべきだ」という凜子さんの意見には大賛成である。しかし「人間よ、驕り高ぶるな」とヒグマなのか森なのか神なのかはわからんが「言われている気がする」という社長の感覚にも同感してしまう。安曇野の山にヒグマが出るのは間違いなく人災。そんな悲劇がフィクションで良かった……。
読了日:06月24日 著者:北林 一光

ニッポンの文学 ニッポンの文学
自分がなんちゃって読書家であることを痛感させてもらいました。読み逃している以下の名作を来年の月一ノルマに確定。栗本薫『ぼくらの時代』橋本治『桃尻娘』村上龍『コインロッカーベイビーズ』綿谷りさ『蹴りたい背中』吉本ばなな『キッチン』竹本健治『匣の中の質楽』米澤穂信『氷菓』小松左京『果しなき流れの果に』阿部和重&伊坂幸太郎『キャプテンサンダーボルト』京極夏彦『姑獲鳥の夏』舞城王太郎『九十九十九』本谷由紀子『異類婚姻譚』。すでに手元にある『屍者の帝国』と『虚無への供物』は年内確定ってことで。
読了日:06月26日 著者:佐々木 敦

横道世之介横道世之介
青春群像劇とか、もうオバさんにはキツイかなぁーと敬遠していたのだけど、主人公はもちろん登場人物がすべからくステキで、特に世之介のお母さんがステキすぎて、たまにしか登場しないからすごい残念。途中に挟まれてる未来の話で祥子さんの成長っぷりが尋常じゃないのがうれしいのだけど、世之介とどうしてお別れすることになったのかが気になってしょうがないわ。映画も見たいかも。祥子さんを吉高由里子が演じるってピッタリすぎるマジで笑。やはり、次は吉田修一祭だろうか。
読了日:06月28日 著者:吉田 修一

ファスト&スロー (下)ファスト&スロー (下)
紙での再読。やはり後半はダレる。経済の話題や事例が増えてくるから単に苦手意識でそう感じるのかもしれない。と、それはともかく学びは多い。何ごとも相対的な評価や判断になりがちな脳の仕組みを踏まえて、問い方には気を付けなければならないことを再確認。参照点、感情フレーミング、焦点錯覚のあたりを参考にさせていただいて、ユーザー調査の枠組みでうまく語れるようになりたいぞっと。
読了日:06月29日 著者:ダニエル カーネマン,村井 章子


相田家のグッドバイ Running in the Blood相田家のグッドバイ Running in the Blood
久しぶりの森博嗣さん。ぜんぜんテイストがちがう。しかし引き込まれる。さすが。お母様の収集癖やお父様の頑なさなど独特で尖ったところはたしかにあるけれど、自分の家族と比べて似ているところもあれば、ちがうところもあり、結局どこの家族も似たり寄ったりなのかもしれないと思った。老後、子どもや孫の世話にはならない!というかたい決心を貫いた親の遺産整理がふつうに子どもに迷惑をかけるレベル笑。両親を見送ってから引っ越しを決意し、行先にイギリスを選ぶくだりを読んで、そんな老後もありかなーと思ってしまったのでお金ためよう。
読了日:06月30日 著者:森博嗣