スウェーデンの郵便事情

2020年07月16日(木) 15:33

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DELIVERY SERVICE IN SWEDEN
It was pretty surprising to have various communication via SMS in Sweden, as it's not at all happening in Japan. Understanding the post service system in Sweden was pretty tricky, too. Delivery to home is an extra service, and customers need to go to a nearby agency to pick a parcel up. Once you miss to receive a parcel at home (even with extra payment), you have to go and pick it up yourself. I can say the delivery service in Japan is super and maybe too much.

スウェーデンではSMS(ショートメッセージサービス)が生きています。というか、かなり活用されています。

店頭受け取りと自宅配送のどっちにするか選ぶべし!というメッセージ

UPS(ユナイテッド・パーセル・サービス)で発送された荷物の受け取り方法を選んでお知らせくだされ、という内容の通知がSMSで来まして↑、このくらいのスウェーデン語なら文脈込みでだいたい理解できるようになったぜ!という自慢。

UPSの代理店で受け取りたいときは「1」、自宅までの配送を希望する場合は「2」と返信してくださいという内容が書かれています。今日の21時までに返信すべしと。そして、「1」とだけ打って、返信するという不思議なやり取り↓。

最初は、日本で培ったメンタルモデルに思いっきり引っ張られて、どこかに電話をして伝えるとか、音声応答に続いて「1」を押すとかするもんだと思ってしまい「電話番号が書かれていないやないか~い」とあたふたしたのですが、余計なことを書かずに「1」とだけ返信すれば良いと旦那が教えてくれました。

そんなことよりも、なぜ「2」を選んで自宅まで配送してもらわないのか。ちょくちょくコッソリ買い物をしている旦那の経験によると、「2」を選んで自宅に届いたことは一度もないらしい笑。ここでスウェーデンの郵便事情を説明します。

ポストに入らないサイズの郵便物は追加料金を支払わないかぎり最寄りの代理店までしか届けてもらえないというのがスウェーデン郵便の基本です。あたり前に自宅まで届けてくれて、不在通知まで入れてくれる日本の郵便局や宅配業者のサービスは、スウェーデン基準からするととんでもないです。追加料金を払って自宅までのお届けを選んでいた場合も、一度不在で受け取りそこねた場合は代理店預かりになってしまいます。再配達なんてあり得ない。

「2」を選んだ場合、荷物はUPSからPostNord(日本の郵便局に相当)へ渡り、通常の配送ラインに乗ることになります。そしてPostNordの通常の配送は近所の代理店までですから、次はPostNordから「荷物が届いているから取りに来なさい」という通知が書面でポストに届く展開になります。つまり、「2」を選んでも結局取りに行かなければならないのに、余計な日数がかかるという不条理。利点は、取りに行く先がちょっとだけ近くなるという一点かぎりです。

そういうわけで、日本の宅配は本当にありがたいサービスなのですよ、みなさん。