2024年8月の読書記録

2024年09月13日(金) 15:26

本&映画の紹介

もはや安定のギリ2桁……。しかし8月は、初旬に母が倒れるという衝撃的な展開がありまして、2週間ほど札幌に缶詰になり、呑気に読書とかしている余裕もなかったので、8月半ばを過ぎて読了たったの2冊だったんですわー。ラストの2週間で脅威の追い上げ。絵本や薄っぺらいのや文字数が劇的に少ないのが混じっていますが笑、3冊セットの絵本は1冊にカウントしたから許してもらおう。

ただただ笑いたい、呑気に笑い転げたいという気分のときにオススメなのは『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』です。この笑える1冊を紹介してくれた『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』は、リサーチ界隈の人にはマストの一冊。わたしのセミナーでも紹介することにします。

小説3冊はいずれもハズレなしで楽しめましたが、疲れているときには『今昔奈良物語集』みたいな短編集や『修羅の都』のような時代物で現実逃避というのが良いですね。



読んだ本の数:10
読んだページ数:2407
ナイス数:141

修羅の都修羅の都
鎌倉幕府の勉強を引き続き。頼朝の死の周辺が詳しく描かれていて面白かった。諸説ある中でも、認知症を患い、疑心暗鬼になっていった挙句に北条家により死に追いやられる説を骨子とした物語。とにかく北条義時が敏腕だったんだなー。梶原景時は相変わらずチクりまくっていて、どの本でも徹底したチクリ魔と描かれていて、そこは諸説なくて定説なのだろう笑。ポンコツ跡継ぎの頼家も矢駆せ馬で三的全的中してたとか、腐っても武士。次の鎌倉時代本の候補がないから、誰か教えてくれないだろうか?
読了日:08月09日 著者:伊東 潤

今昔奈良物語集今昔奈良物語集
9月に予定していた奈良旅行の予習のつもりでしたが、旅はキャンセル。いやしかし、面白かった。走れメロス改め『走れ黒須』、かたち改め『二十歳』、耳なし芳一ではなく『耳成浩一』ってな感じでタイトルと物語の骨子をパロって、現代を生きるチャラい人たちが奈良を舞台にとぼけた日々を送っているのです。『奈良島太郎』が受け取った玉手箱にはちょっと感動しちゃったけどね。もとの物語を知らなくても十分に楽しめるお気楽物語の数々。奈良のことを知らなくても楽しめるし、なんといっても、奈良旅行の予習には欠片もなりません笑。
読了日:08月16日 著者:あをにまる

アメリカの中学生が学んでいる 14歳からのプログラミングアメリカの中学生が学んでいる 14歳からのプログラミング
月半ばを過ぎて読了2冊というのはマズイ!ので、年初お暇だった頃に「もう一度プログラミングの勉強でもしようかな~」と気軽に読み始めて「やっぱ向いてないわぃ!」と自覚してスピードダウンしてから埃をかぶっていたコレの残り少しを読破。基本的なことは頭に入っているけれど、新しいことを追加投入するのが本当にもう無理ゲーなことがわかりました。子どものうちにプログラミングに触れて、英語も必要だぞってことに気づき、私とは違う学びを経て大人になるデジタルネイティブ達にはぜひとも頑張っていただきたい。
読了日:08月17日 著者:ワークマンパブリッシング

ときを感じる お宿図鑑: スケッチで巡るレトロ建築ガイドときを感じる お宿図鑑: スケッチで巡るレトロ建築ガイド
知人の相方の教え子さん(つまり赤の他人)が書いた本。宿や町の方々が大切に守ってきた文化財としてのお宿を、建築家らしい視点で断面にして俯瞰して紹介してくれます。細かな意匠を丁寧に説明してくれていて、スケッチだけだと伝わりにくそうなところは写真も添えてくれていて至れり尽くせり。残念なのは、わたしの心に響く宿が奄美の伝泊くらいだったこと。たぶん、擬洋風建築というのがあまり好きじゃない。神戸や横浜に魅せられないのはそこだったんだな。ということに気づかせてもらいました。
読了日:08月18日 著者:ときやど 吉宮 晴紀

「てんかん」のことがよくわかる本「てんかん」のことがよくわかる本
お仕事前の予習。てんかんの可能性を疑えず受診まで時間を要してしまうこと、専門医が少なく受診しても確定診断が出にくいこと、服薬コントロールと周囲の理解でふつうの生活を送れること、服薬を続けなければならないことへの不安とストレスなど、知らないことだらけだったことは否めない。しかし、このくらいの知識をあたり前レベルで誰もが持つようになれば、助かる人が大勢いるんだろうな。少なくとも、発作を起こしている人を見かけたら、まず落ち着いて3分くらい静かに待ってみるという対応を取れるようになろう。
読了日:08月23日 著者:

「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策
スゴイ良書。心の理論とメタ認知をこれほどわかりやすく伝えてくれる本はこれまでなかった。学者先生がビジネスの現場で頻出するコミュニケーション問題と解決法をよく知ってるな~と思ったら、ビジネスパーソンにしっかりお話を聞いてから書かれていた。さすがです。いわゆる「知ったかぶり」には「他人の知識=自分の知識」バイアスという名前がついていた。「流暢性バイアス」も頭に入ってなかったバイアスのひとつ。認知バイアスは、本当にたくさんあって、ぜんぜん勉強が追い付かないよー。
読了日:08月23日 著者:今井 むつみ

てんかんと生きていく: 発作とうまく付き合い自立した私の体験談てんかんと生きていく: 発作とうまく付き合い自立した私の体験談
6歳でてんかんを発症、24歳でリウマチ、そして35歳で潰瘍性大腸炎を患い、3つの病気と向き合いながらひとり暮らしをしている著者による講演その他の記録です。寄せ集めな分、同じ話題のくり返しという感じが多くなっていますが、それはつまり、いじめや差別、そして病気を理由にする解雇がくり返されてきたことの証左なのでしょう。理解の足りない教頭先生に歯向かってくれた担任の先生や、差別の問題を真摯に議論してくれた同級生などに出会えたことが救いだと本人も言っていますが、とにかく周囲の理解が大事。理解している一人でありたい。
読了日:08月25日 著者:山根 美砂

センセイの鞄センセイの鞄
8月のノルマ小説。「ずっと一緒にビールを飲んでいられそう」というのが決め手だったな、わたしも…なんて思いながら、センセイとツキコさんがサトルさんのお店でダラダラと、言葉を交わしたり、目も合わせなかったりしながら一緒の時を重ねていく様子が良い。少しずつヤキモチを焼き合うようになる。でもはっきりしない。元同級生とのデートや出奔した元嫁の墓参りなどが二人の気持ちを揺さぶる。センセイがいつまでも先生でいようとしていたけれど、恋しい気持ちが上回る。そしてセンセイの静かな死。残されたツキコの手元にセンセイの鞄。
読了日:08月26日 著者:川上 弘美

おへそがえる・ごんセット(3冊)おへそがえる・ごんセット(3冊)
旅先の本屋で衝動買いしたカエル本をやっと読了。おへそを持って生まれた(そんなわけなーい笑)カエルのごん。おへそを押すと口からくもが出て、周囲をけむに巻けるのです。威張りくさる人間を倒したり、まるで桃太郎のように仲間を増やして旅に出たり。2巻には鬼も出てくるし、どこかで聞いた物語だらけ笑。でも、風船がえるにされたごんが空をふわふわ飛んでる様子とかめちゃくちゃカワイイ。カラスが助けてくれるとかあり得んわーとか思いつつ、ファンタジーがつまった3冊を一気読み。けんが父ちゃんに再会できてよかったね。癒されました。
読了日:08月28日 著者:赤羽 末吉

100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集
『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』からのコレ。速攻読んだら、腹よじれるかってくらいに面白かった。「トコトコ公太郎」「衝撃の巨人」あたりは想像つくけど笑える。「カフカの『ヘンタイ』」とか「カズキ・イシダの『わたしを探さないで』」あたりは、覚え間違う気持ちもなんとなくわかるけど面白い。伊坂幸太郎の『あと全部ホリディ』なんて、ほとんどあってるじゃん!村上春樹の『ねじ曲がったクロマニョン』に添えられているねじ曲がったクロマニョン人のイラストに超ウケ。ということで、かなり笑えます。
読了日:08月29日 著者:福井県立図書館