2023年9月の読書記録
2023年10月03日(火) 14:41
本&映画の紹介9月は仕事が山盛りでしたが、出張と旅行もあったので道中+宿での借り読みで稼ぎました。
いやしかし、『AI 2041 人工知能が変える20年後の未来』が550ページを超える超大作なので2冊カウントにしたいくらいだったけれど、これがまた超絶おもしろかったので圧倒的にオススメです。
お勉強本として、UX界隈のみなさんにぜひ読んでいただきたいのは『客観性の落とし穴』ですわ。「経験の内側」に視点を置いて「社会や時間軸の広がり」までを含めて体験を想像するってーところまで行ってやっと共感なわけで、なんちゃって共感で終わらないようにしないとな……ってことを思い出させていただきました。
そして、なにを頑張ればよいのかわからなくなっちゃっている人には『後世への最大遺物・デンマルク国の話』が読みにくいけどオススメです。毎日を一生懸命に生きましょう。それで良いのです。って、教えてくれます。
読んだ本の数:12
読んだページ数:2920
ナイス数:79
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「クリスマスツリーは本物とプラスチック製のどちらを買うべき?」がいちばん気になっていた問いです(そこ?笑)。要は、製造時にかかるコスト(使われる資源や排出される二酸化炭素。以下同)、消費者の手元に届くまでのコスト、廃棄するときのコスト、そしてリサイクルやリユースの可能性とそのときのコストを全部換算する必要があるという話。どの問いもだいたい同じなので後半は読まなくてもだいたいわかる感じになる。それでも、合成繊維の衣類と紙のストローはなるべく買わないように使わないようにしよう!みたいな細かい学びはありました。
読了日:09月02日 著者:ジョージーナ ウィルソン=パウエル
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AIに関する調査に先立つ予習の書。550ページ超の厚さにひるみつつ読み始めたら止まらなかった。「(短編小説+解説)×10」という構成で、伏線を覚えておく必要がないのと、小説の舞台がインド、ナイジェリア、韓国…と世界各国に移っていくので未来の地球を旅しているような気分にも浸れる。それにしてもあとわずか20年でこんな世界が訪れるのだろうか?と、AIまわりの先端技術に疎い読者には空恐ろしい物語の数々。自分には関係ない…と一瞬思うも、20年後はまだふつうに生きていそうな年齢じゃないか!なんとかついていかなければ……。
読了日:09月10日 著者:カイフー・リー(李 開復),チェン・チウファン(陳 楸帆)

「太陽が1個しかないのは、宇宙では特殊な環境」ってマジか……。わたしのレベルはそんな感じ。なので、地球を代表して宇宙へ行く資格が微塵もないことを自覚する読書となりました笑。世界の成り立ちや行く末について宇宙人と語り合えるようになるには(言葉の問題は翻訳機がなんとかしてくれる前提)相当高いレベルの物理と化学と数学の知識が必要で(それでも地球人のレベルは下の下)、つまりわたしには無理だという結論です。地球でおとなしくしていようと思います。宇宙の前に地球についても知らないことだらけなわけですし。
読了日:09月10日 著者:高水 裕一

AI調査に先立つ予習2冊目。知らないことを教えてもらうだけじゃなくて、そうかぁー、”生成”AIなわけだからもっとクリエイティブなことをお願いすればよいのかー。目から鱗。そう遠くない将来、ネット上には人間によるものよりもAIが生成した文章や画像や動画があふれるようになって、その真偽を確かめる術が今のところはないのだけれど、だからと言って使わずにいれば置いていかれるわけで、慎重かつ大胆にAIの力を借りて、今まで自力ではできなかったことに挑戦するべきなんだな、きっと。そう、なにかクリエイティブなこと笑。
読了日:09月14日 著者:清水 亮
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10月1日が近づいてきたのでちょいと再読。自分に関係する部分にマーカーを引きながら読みまして、「2024年1月1日」を登録希望日として「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出するっていう結論になりました。ただし、11月上旬に引越しを予定しているので、引っ越し後の管轄税務署へ届け出る必要があるから、年末ちょっとあわただしくなる。準備しておこう!っていう心構えは完成。あと、立替金とかの扱いが面倒っぽいのでお客さんに相談だ!
読了日:09月20日 著者:土屋 裕昭
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子ども本の森にて借り読み。「何しに行くの?奈良なんか鹿しかおらんで」とか言われてみたい。「うちは英語はわからんねん。フランス人やから」とか言ってるところに出くわしたい。「そんな人様に迷惑かける子を育てた覚えはないので、煮るなり焼くなりしてください」とオレオレ詐欺に返す大阪のおばちゃん逞しすぎるでー(なんちゃって大阪弁)。大阪では、子どもが悪いことすると「永平寺に入れるで」と脅されてビビるとか。知らんかった。永平寺は美しいお寺さんだけど修行大変なのね。
読了日:09月22日 著者:森 綾

京都のお宿で借り読み。めちゃくちゃ面白かった。他人の旅とか正直あまり興味がなかったのだけど、海外編の8箇所で被ってるところはモロッコのみ。わたしの知らない国々の予想を上回る景色を見せてくれました。特にイランとインドが極上。国内編になって「旅」の定義が変わり、なるほどな展開。「郵便局」でかなり笑わせてもらった。そして家編の導入で涙。ステキなお友だちに恵まれた幸せな人でした。よし、わたしも旅をしまくろう!と決意を新たにしましたー。
読了日:09月23日 著者:岡田悠
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女神ヴィーナスの嫉妬に翻弄されるプシケー。姉たちまでもが嫉妬に狂って貶めてくる。キューピッドは良い旦那を装いながら、実はマザコンだし、嘘つきだし、どうなの?と。日本の神話と同じで、登場する神々はもれなく「お馬鹿さん」で「常識知らず」で、しかしその愚鈍さを「愛らしい」と思わせる描写になってますね。神話ってそういう感じ。京都のお宿で借り読み。そうじゃないときっと手に取ることのない本でした。そういう一期一会が好き。
読了日:09月23日 著者:ウォルター ペーター
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「この美しい地球に生まれたからには後世になにかを残して逝きたい」とか考えているところが高尚。お金を稼ぎ、それを事業という形にして社会に貢献し、その礎となる思想をまとめて文字にして大衆と共有し、教育者として後進を育てるべし。だが、これらを成すには一定の才能がいると。持たずして生まれた者はどうすればよいか?「勇ましい高尚なる生涯」を送ることは誰にでもできるのだから、それを遺すことを目指すがよろしぃ、という高尚な締め。しびれた。いろいろシンドイけど、日々を一生懸命に生きよう。それで十分だと教えてもらいました。
読了日:09月24日 著者:内村 鑑三
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客観性と数値への妄信に警鐘を鳴らし、病や差別に苦しむ人の声を尊重する社会の志向を促す思考法を教えてくれる一冊。数値の裏に横たわる「血肉の通った生の姿」を理解できるようになるための調査法や分析法が潤沢に語られます。客観vs.主観ではないところが個人的には肝だし、ドキリとさせられた。客観とは異なる「経験の内側に視点を取る思考法」。個人の経験は「その人の心のなかに閉じこめることができない」もので、社会や時間軸という広がりの中にあってこそ真実。だから主観を捉えるだけでも足りないと。冷や汗が止まらない。再読決定。
読了日:09月27日 著者:村上 靖彦
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表紙その他にキライな猫がたくさんいるのに買ってしまうほど、まだ北欧かぶれしております笑。フォーリコール(キャベツとラム肉の煮込み)やチキン・オバジン(茄子と鶏肉のグラタン)を作ってみよう!逗子にあるスウェーデン菓子と絵本のお店に行こう!「トレファトレファ」でカーテンを買おうか? 鈴木喬子さんのキノコ欲しいぞ! ちょうど買ったばかりの会津木綿の話も出てきて驚いたな。谷中のひるねこBOOKSさんには北欧関連本が多いんですか、そうですか。タイトルどおり「日本で楽しむ」ことができる情報満載でした。
読了日:09月28日 著者:森 百合子
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「UXリサーチ」という言葉を使わないで売り込んでいくことも選択肢のひとつ。組織に新しい考え方や取り組みを根付かせようと思ったら、いろいろなアプローチがありますよ!というのを実践した事例が語られていて、本書の一番の売りはそこになると思う。リサーチの手法もいろいろなので状況に合わせて選ぶべきだし、手法ごとに本1冊書けてしまうくらいだからそこは参考文献を紹介するにとどめると割り切っちゃってるところも良い。初心者向けというスタンスを崩さず、広く浅く全体像を伝えることに徹していて良き入門書でした。
読了日:09月30日 著者:松薗 美帆,草野 孔希