2022年12月の読書記録

2023年01月02日(月) 13:39

本&映画の紹介

中盤に読んだ『教養としての決済』が面白いけどむずかしくてペースダウン。その後、年末に向けてはゆるい読書のオンパレードになってしまった笑。そんな中にも超のつくおすすめ本がありました。『神さまたちの遊ぶ庭』はぜひ読んでほしい。トムラウシという山奥へ期間限定移住(=しゃんしゃん留学)を果たした両親と子ども3人の著者一家。彼らの1年間の生活が細かく丁寧に、そして面白くおかしく綴られるエッセイです。

12月も2桁読書を達成できました。読書メーターさんのおかげで記録も残せてありがたい限りです。



読んだ本の数:12
読んだページ数:3129
ナイス数:104

目の見えない白鳥さんとアートを見にいく目の見えない白鳥さんとアートを見にいく
著者が「夢の家」で「夢」を見るどころか眠ることすらできずに終わった件が面白すぎた。ポイントぜんぜんそこじゃない笑。がんばって健常者に追いつかないとならない……と言われ続ける子ども時代の話がなんとも切ないけれど、そういう理不尽な世の中に抗おうしたりしなかったりしながら自然体で生きてきた目の見えない白鳥さんとアートを見ると、晴眼者は「選択的注意」という認知バイアスを強力に思い知らされることになると。アート鑑賞は試されているような気がしてしまって苦手ですが、見たものを言葉にする見方を試してみよう!
読了日:12月01日 著者:川内 有緒

運動脳運動脳
約8キロ(1時間)のジョギングを2日に一回のペースでかれこれ10年くらい続けています。体重増加をおさえることと便通を良くすることが狙いだったのだけど、かなり脳に良かったらしい。朝ジョギングした日は、昼頃に激しく眠くなるので、集中力や記憶力が向上したり、不安やストレスが減ったりしているという実感が実はない。走らなかったらもっとパフォーマンスが悪いのかもしれない…と、思うことにしよう。そして走り続けよう。だって、脳の老化や海馬の萎縮を早め、知的能力の衰えを促す遺伝子を持って生まれているかもしれないから。
読了日:12月04日 著者:アンデシュ・ハンセン

くらべる時代 昭和と平成くらべる時代 昭和と平成
オカムラいすの博物館と、鎌倉時代からの教科書を所蔵する東書文庫と、NTTドコモ歴史展示スクエアと、まほうびん記念館、そして麦酒大学に行きたい! 平成以降、ニーズの幅が広がり、それに応えようと選択肢の幅が広がって「定番」がなくなったという指摘がごもっとも。たしかに昭和の時代は、どこの家にもあるコップとかポットとか、みんなが持ってる水筒とかお弁当箱とか、ド定番があったよね。実家に行けばそんなものがゴロゴロと出てくるのかもしれない。次の帰省では、そんな視点で観察してみることにしよう。
読了日:12月06日 著者:おかべ たかし

世界インフレの謎世界インフレの謎
インフレはコロナによるパンデミックがもたらした消費者と労働者の行動変容およびグローバル供給網に発生した隘路などが重なったことによる供給不足に起因する。そして、中央銀行は供給サイドに端を発するインフレをコントロールする術を持たない。日本はさらに慢性デフレ問題を抱えたままで事態はかなり深刻と。打開策として個人ができること。まず消費者である自分が「物価は上がるもんだ」と受け入れること。安物探しに走らないこと。伴って労働者として賃金アップを求めること。では、次のプロジェクトから単価あげさせていただきます笑。
読了日:12月08日 著者:渡辺 努

星の王子さま星の王子さま
2022年のノルマ本26/26冊目。積んでた小説のラストを飾ったのは、じわじわと心に迫る物語。大切なことは目に見えないし、人間はみんな、このことを忘れちゃうんだ。日常生活に追われ、社会生活にもまれてクタクタの大人は、大切なことを見失ったまま、忘れたふりをして、考えないようにして、なんとか生きているのかもしれない。もうすこし気楽に生きたいよね。ところで地球には750万人の酔っ払いがいるらしい。人口20億のころの計算だから、今は4倍の3千万人だな。そのうちのひとりがわたし笑。忘れるために飲んでいるのかも笑。
読了日:12月10日 著者:サン=テグジュペリ

飛べないカラス飛べないカラス
ノルマ本が読み終わったので、久しぶりにエンタメ小説。楽しい~。終わってみれば、みんな良い人! 金に目がくらんで未成年の息子とともに元俳優に挑んであっさりやられた幼なじみが小悪党だったくらいで、ほんと全員良い人! 不運にも前科者となってしまった加納健太郎はめちゃくちゃ愛されていて、真面目に演技と向き合うプロの俳優で、彼を支えたいと思ってくれる人脈に恵まれて、ひと悶着(とかいろいろ)を乗り越えたラストにも寄り添ってくれる人がいて、すごい幸せじゃん。日菜を選んだのはきっと正解だよ。
読了日:12月18日 著者:木内 一裕

教養としての決済教養としての決済
前半は身近な少額決済の話。国によって歴史や価値観がちがっておもしろい。わずか3年弱とは言えスウェーデン暮らしをしていたおかげで、ヨーロッパの事情やテクノロジー革命の話も理解できる。で、日本。なぜキャッシュレス決済がなかなか浸透しないのか問題は小国の話として歯牙にもかけてもらえないという笑。そして後半、犯罪や政治の話が複雑に絡み合ってきて、お手上げ。貪欲にお金に食らいついていく犯罪者のみなさんって、頭良いんだろうなーとか思ってしまった。いろんな銀行のみなさん、わたしの貯金を守ってくれてありがとう。
読了日:12月20日 著者:ゴットフリート・レイブラント,ナターシャ・デ・テラン

銀行とデザイン デザインを企業文化に浸透させるために銀行とデザイン デザインを企業文化に浸透させるために
三井住友銀行の口座、持ってないんですよ。だから、どんだけ良い仕事をしているのかのジャッジはできない(というかそもそもする立場にない)のだけど、読む限り、さほどスゴイことはやってない(ごめんなさい)。でもたぶん、「銀行」というガチガチにレガシーいっぱいな組織にデザインの仕事を伝え、価値を示し、居場所をつくり、成果を出して、もっとデザイナーを雇っていこう!と上層部に思わせたところがスゴイ成果なのだと思う。なんとなく、日本の大きな会社の多くが同じだと思うので(知らんけど)見習っていこう!
読了日:12月22日 著者:金澤洋,金子直樹,堀 祐子

神さまたちの遊ぶ庭神さまたちの遊ぶ庭
今年一番に笑える読書でした!電車で何度も吹いてしまった。「漆黒の翼」改「英国紳士」改「ボギー」こと次男が面白すぎる。長男はカッコイイし、末娘は天然妄想系。トムラウシへの「しゃんしゃん留学」へわたし達も行きたいけど、子どものいない中年夫婦はお呼びじゃないよな…。それにしても子ども達の成長がすごくて感動するレベル。この子達はトムラウシへ行かなくてもきっとステキに成長したのだろうけど、トムラウシでの1年は間違いなく宝物。これを読めば何度でも思い出せるとか幸せすぎる。母もがんばった。たぶん父も笑。
読了日:12月25日 著者:宮下 奈都

Close Your EarsClose Your Ears
尾道の宿 LOGのライブラリーにて借り読み。日本人でこんな画集を出せる作家さんがいたとは嬉しい出会い。ちょいとポンチっているイラストに絶妙なタイトルがつけられていて、ちょいちょい笑う。「片耳を猫にふさがれるくらいがちょうど良い」がお気に入り。猫キライだけど、猫の表情と仕草が最高です。欲しい一冊。
読了日:12月26日 著者:杉本さなえ

わたしの好きな季語わたしの好きな季語
『大きな鳥にさらわれないよう』の印象で勝手に自分よりも若い作家さんだと想像していたのだけど、これを読みながら印象が揺らぎ、結果としてひとまわり以上も年上だったことが判明し、動揺を隠せない笑。閑話休題。知らない言葉の多いこと。季節感もズレズレ。だからこそ、もう少し季節を感じながら生活を送ろう!と素直に思わせてくれる一冊でした。何気に来年の目標ということで。
読了日:12月28日 著者:川上 弘美

名医が教える飲酒の科学 一生健康で飲むための必修講義名医が教える飲酒の科学 一生健康で飲むための必修講義
年末年始の暴飲に備えて2022年締めの一冊。百薬の長になり得る適度な飲酒量は純アルコール量で1日あたり20g。ビールに換算するなら中瓶1本だとさ。無理ゲー笑。飲酒スクリーニングテスト(AUDIT)は12点で有害飲酒。と言いつつ、回答中の認知的不協和がなんかすごかったし、回避するための言い訳ズラリだったので、本当は危険な飲酒レベルと思われる。2023年はもう少しだけでも減酒が目標かなぁ。体重も少し落としたいしなぁ。
読了日:12月28日 著者:葉石かおり