自然の力……ではなかった

2021年03月03日(水) 18:00

UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, Skåne, スウェーデン, マチとヒトの観察
NOT POWER OF NATURE, BUT HUMAN-MADE
We tend to have some errors based on our assumption. The so-called sword-whetting stones looked to me they had been eaten away by waves in the old days, but it seemed to be human-made, though no one knows how and why. The limestone layer looked amazing and worth to preserve, but what the municipality tries to save is the history of millstone quarry human made in the 19th century. These have reminded us of that we should not rely on our assumptions too much, and should refer to the facts and records.

スカンジナビア半島が氷河に覆われていた頃の名残りを伝える地形があちこちに残っている……という思い込みでアレコレ見てきて、ブログを書くためにいろいろと調べたらぜんぜん違っていてビツクリすることが実はよくあります笑。

たとえば、小川のほとりにひっそりと残るこちらの岩↑。「水で削られてこんなんなるのか!」と勝手に想像していましたが、人の手により刻まれたものとする説が有力らしいです。紀元前3200~2600年頃にスカンジナビア南部で栄えたPitted Ware culture(ピットウェア文化)と呼ばれる狩猟採集文化の痕跡ではないかと。ただし、確たる証拠があるわけではない。地元の人たちは、その見た目から「sword-whetting stones(刀を研ぐのに使った石)」みたいに呼んでいたらしいですが(スウェーデン語でなんと呼ぶのかはよくわからんかった)、それも根拠のない言い伝えのようです。

宮崎県にある「鬼の洗濯板」みたいな地形がSkåne(スコーネ)の東海岸にもあるという情報を聞きつけて行ってみたら、規模は小さいし、迫力でも完全に負けているけれど、波の侵食でできたと思しき奇妙な海岸がありました。

しかも、きれいに丸く削られているところがあって↑、「火山性のガスか何かの影響かな……」なーんて真顔でそれっぽく語っていた旦那は、直後に解説を読んでのけ反ることになるのですが笑、不安定な漁業だけで生きていくのは大変だから、海岸に大量にある石灰岩を切り出し、石臼をつくって売り出す新産業を興そう!ってな感じで盛り上がって、人為的に削った跡だそうです!

しかし残念ながら、その新興産業はまったく長続きせず廃れてしまったらしい。残念でした。そしてこの海岸は、自然が生み出した奇岩の海岸ではなく、人間が削り出した丸い跡のほうを歴史的な遺産として保存するってことになっているそうな。そっちかい笑。