ジャパニーズスパ……だと?

2021年03月12日(金) 17:46

UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, Halland, スウェーデン, 泊まるコトコロ
DO YOU CALL THIS "JAPANESE SPA"?
Varbergs Stadshotell and Asia Spa offers you a SPA experience starting with a Japanese ablution ritual. Wow! And, I expected to have a Japanese style hot bath which allows us to bathe naked, but there was only a big bath tab with hot water which expects us to wear swim suits. Don't be upset even though the staff calls it "hot springs" as hot bath means hot springs for Swedes. You need to wear a swim suit underneath a Japanese Yukata, of course. Wait, that is not a Japanese Yukata at all, it's just a thin bathrobe, isn't it? I should not have brought my Japanese based assumptions or expectations, as I am in Sweden, and I now admit I should have been patient until I get back to Japan.

Lund(ルンド)から北へ2.5時間ほど行ったところにある Varberg(ヴァルベリ)という町に「ジャパニーズスパ」自慢のホテルがあります。スパ内撮影禁止だったので写真はありません。ホテルのWebサイトで写真をいくつか見て、各自イメージを持ってから続きを読んでください。

日本へ遊びに行けなくなって丸っと1年が経ちました。それはもう日本の温泉が恋しくて仕方がないわけです。なので、このホテルを見つけたときは軽く興奮しました。で、実は年末の旅行のときに宿泊予約をしたんです。でも、スパの予約がなぜかできない。Webサイトをくまなくチェックしても、予約のフローへ進めず、観念してメールで問い合わせました。そして「クリスマス期間は、ホテルはやってるけどスパはお休みなのよ~、ゴメンナサイね」という返事が来てのけ反った。スパ自慢のホテルのくせに、スパが休みの日があるってどういうこっちゃねん! スパを閉じるならホテルも閉じろ! そんなホテル泊まってやるもんかっ!と怒りまくったにもかかわらず、「日本風のお風呂に入れるかもしれない」という期待に負けて、今回の旅の最後に1泊、予約をしてしまいました。

だってこの謳い文句です。

Your SPA experience starts with a Japanese ablution ritual.

あなたのスパ体験は、日本式の清めの儀式から始まる……なんて言われたら、やられるじゃないですか。Webサイトにも、木製の風呂椅子に全裸で腰掛けて、風呂桶のお湯をザッバーンと被って髪を洗っているらしき写真があるし。

そして、行ってみてわかった完全なる勘違いその1。日本式の清めの儀式ができる洗い場があるなら、そのまま全裸で入れるお風呂(大浴場)もあると思ってしまったがそんなものはなかった笑。

スパには、日本式の「浴衣とスリッパ」を用意しています。気に入ったら持ち帰ってもOKよ!みたいなこともWebサイトに書いてあったので、浴衣の下は全裸でOKだよねもちろん!と思ったのが勘違いその2。念のためお姉さんに「浴衣の下には水着を着るの?」と聞いてみたら「あたり前じゃないっ!」と軽く怒られたりなんかして。スウェーデン人には水着着用があたり前で、日本人には全裸があたり前なんだっつうの笑。それに、よくよく見たら、ぜんぜん「浴衣」じゃないやないかいソレ! スリッパもちゃう。それはサンダルという代物だ。こんなん持ち帰りたい人がいるんかいな笑。

期待を裏切られ、がっかりした雰囲気のわたし達を鼓舞するが如く、お姉さんは言いました。

We have various saunas, a huge swimming pool, and even better, a hot springs!

「いろんなサウナと広々としたプール、それにホットスプリングスもあるわよ!」と、満面の笑みで。つい、期待全開で「温泉あるの?」と前のめりで聞き返してしまったけど、案の定、温かいお湯を張った巨大なバスタブがあるだけでした。スウェーデン人にとっては、バスタブにお湯をはってのんびりつかれば「ホットスプリングス(温泉)」ってことなのだよ。温泉が湧いてるわけないやないかぃ>自分!というのが勘違いその3。

とは言え、そのバスタブに肩まで浸かって、夕日を見ながらまったりする時間はまあまあ極上でした。でもプールと同じで塩素消毒されているから、「日本式の清めの儀式」はむしろスパを出るときに行うべきではないかと思う。だれも使ってなかったけど笑。

そんな期待を裏切る系のジャパニーズスパを備えた Varbergs Stadshotell は、20世紀はじめに建てられた由緒ある建物で、実はかなりのゴージャス系ホテル。中はまるで迷路ですが、ところどころに大仏とか、布袋様とかがいて、アジア感もあるようなないような……。

[1] 1902年の建築物 [2] ゴージャス系のホテル [3] ところどころでアジア推し

ジャパニーズスパ体験の満足度はいまいちでしたが、むしろ自分の期待が間違っていたことを思い知りました。過度な期待は判断を誤らせるという教訓。帰国して、禊期間を終える頃には、近場の温泉くらいまでなら旅行しても良いよ!という雰囲気になっていてもらわないと困るなぁ……。よろしくお願いしますよ>日本の皆さん。