初のルシアコンサート

2019年12月16日(月) 19:12

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LUCIA CONCERTS!
I missed a Lucia concert last year, as I was in Japan then, so I really wanted to get into a concert this year, and enjoyed the free one at the city library and another more serious one at the All Saints Church. Their beautiful voice was worth listening to, but I started to wonder how the Lucia was selected. It looks like a beauty pageant, but it sounds so wrong especially in Sweden where equality means a lot. According to a Swede, a girl with a blonde long hair was used to be selected, but nowadays, there is a community to select a person who contributed to the region/community most.

12月13日は、キリスト教の殉教者 聖ルシアの聖名祝日(聖人の記憶日)です。スウェーデンには、キリスト教が伝わる以前から「光の祝祭」と呼ばれる行事があったらしく、ラテン語で「光」を意味するLux(またはLucid)から派生した「Lucia/ルチアまたはルシア」は、その地元のお祭りと結びつきやすかったせいか、次第に盛大に祝われるようになったと言われています。

というのは、本やWebから寄せ集めたにわか知識ですが、去年の12月13日は日本にいてこの聖ルシア祭を見逃してしまったので、今年は絶対に行くぞ!と気合十分にLund大学ルシア祭のチケットを3日前くらいに取ろうとしたら売り切れでした……。気合い入れるの遅すぎた笑。仕方がないので Allhelgonakyrka (オールセインツ教会)のほうのチケットを購入。ひとり160SEK(約1,860円)と、ぼちぼちのお値段です。

[1] 図書館のクリスマスツリー [2] 図書館でルシアコンサート [3] 光の祝祭です

そして13日当日。とりあえず市立図書館で無料のルシアコンサートがあるって言うから、本の返却ついでに寄ってみたら、観客があふれてました[2]。

[4] 夜はオールセインツ教会へ [5] 祭壇の光は抑え気味 [6] 頭上に蝋燭リースがルシア

教会のほうも、着いたら入り口に長蛇の列ができてきて[4]、あまり良い席にはつけなかったけれど、合唱団の澄んだ歌声が教会の中に鳴り響くコンサートはなかなかでした[6]。ナポリ民謡『サンタルチア』のスウェーデン語バージョンを歌いながら、ロウソクのリースを頭に載せたルシアを先頭に光を運んできてくれる合唱団の面々がみんな楽しそうで誇らしげでした。

しかし気になるのはやはり、先頭に立つルシアがどうやって選ばれるかです。性別や出自、人種や職種に関係なく人は平等であるという意識の強いスウェーデンにおいて、大勢の中からひとりだけ、とっておきのポジションを担う女子を選ぶという「ミスコン」みたいなのがいまだに成立しているということにはちょっとした違和感を覚えます。金髪碧眼の美少女がとうぜんのように選ばれるのであろうか?

で、スウェーデン人に聞いてみたら、やはり少しずつそこが問題視されるようにはなってきていて、学校行事の場合はルシアが複数人になったりしているそうな。日本の小学校で桃太郎が三人とかになっているのと似てる笑。地域とか市とかの行事として行う場合は、見た目ではなくて「地域への貢献度」みたいな点に注目して選抜するところが出てきたりもしているとかなんとか。時代の流れに合わせて伝統行事を守っていくのは、どこの国でも大変なようです。