子ども達から学ぼう!

2018年09月06日(木) 17:54

UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, Skåne, イベントの話, スウェーデン, リサーチャーの知恵袋
WE SHOULD LEARN FROM KIDS
Children are treasure not only for their own parents but also for the society. This is a strong consensus among Swedish, and some presentations at the Conference, including the closing keynote by Linda Liukas, taught me that we should learn more from kids. From a UX researcher's perspective, I thought we should conduct more research with and on kids to change the mindset. It could work just to observe how they play fluidly even between physical world and digital world.

2日間の The Conference が終了し、でも今日と明日も引き続きワークショップに参加したり、セミナーを聞きに行ったり忙しいのだが、ここで一度、内容を概観しておくことにします。

[1] これで誰かわかれば大ファン [2] ルビィのぼうけんの著者です [3] すべては子ども達のために!

で、いきなりクロージングキーノートの話ですが笑、日本でもお馴染みの『ルビィのぼうけん』の著者 Linda Liukas 氏でした。お隣フィンランドのヘルシンキが拠点なんですよね。コンピュータありきの現代に生まれてきた子ども達にプログラミングのお作法とその根底にある考え方やロジックを教えることに情熱を注いでいるすごくカワイイ人でした。このままの話し方と雰囲気で子ども達に接し、子ども達と一緒に楽しそうにワークショップをしているであろう様子が容易に目に浮かびました。【クロージングキーノートの様子がアーカイブに乗りました。興味のある方はぜひ】

実際、どんなワークショップをしているのかという紹介とそのときの子ども達の反応、そしてそこからわれわれ大人がどんなことを学べるかを教えてくれる内容でした。アルゴリズムを教えるときは、まず身体を動かしながら感覚を掴み、Scratchのようなビジュアル重視のアプリケーションを使ってコーディングへの導入を行い、少しずつ自分でコードを書けるようになってきたらいよいよロジックを教える。そういう学びの順序を丁寧に追いながら、コンピュータがマジックではなくロジックで動くものだということを理解してもらうことを目指していると。そして、コンピュータが得意とすることと、人間が得意なことを考える時間をたっぷり取るようにしているとも。日本で同様の活動をされている方たちにはきっと参考になると思います。The Conferenceの講演はすべてアーカイブに保存され、誰でも見られるようになるそうなので、ぜひご覧になってみてください。昨日の今日なのでまだ上がっていませんが、近々見られるようになるはずです。連絡がきたらここでもアナウンスします。

初日の午後に“PLAY”というテーマの講演が3つあったのですが、それらも興味深かった。Tel Aviv大学の Shuli Gilutz 氏は“Child-Centered Design”を実現するために大切な倫理の話。D4CR(Designing for Children’s Rights)という団体がまとめたガイドの内容を紹介してくれるものでした。子ども向けのデザインに関わるならば必見です。とにかく子ども達と一緒に遊ぶことが大事!というのが結論でした笑。二人目は Children’s IKEA の Fredrika Inger 氏。4年くらいの時間をかけてリサーチを繰り返してきた結果として、PLAYに必要な4つのコミットメントとそれを実現するための5つの動機付けを紹介してくれました。最後は LEGO Creative Play Lab の Magnus Göransson 氏が、子ども達がどれほど Fluidly に遊んでいるかという発見について愉快にプレゼンしてくれました。 Fluidly というのは日本語にするのが難しいけれど、直訳すると流れるようなとか、滑らかなとか、つまり、大人の目には支離滅裂に見えるストーリーや展開も子ども達の思考の中では緩やかにつながっていて、そこになんの疑問もなく、子ども世界では説明がついてしまうということ。大人はフィジカルとデジタルを切り分けて考えがちだけれど、そこ切り分ける必要ってあるんだっけ?という素朴な子ども的発想こそが今後は大事になっていく…とは言っていなかったけれど、わたしはそう受け止めました。子ども向けの商品やサービスだから子どもをターゲットにリサーチをするというのではなく、これからは子ども達から学ぶために各社子どもリサーチをすべきなのではないのかな?と。大人が頭数を揃えて必死にブレストしても出てこない驚きの発想を、子ども達がすんなりやって見せてくれるかもしれない。そういう間接的なリサーチの可能性をぼんやりと見た気がしました。

スウェーデンでは、子どもが危ないことをしていたら、そばに親がいようといまいと警察に通報する。まわりにいる大人は誰もが子どもを守るための行動を取る。とても大切な行動規範だそうです。しつけと称して子どもを叩いたりすれば親は処罰されます。場合によっては逮捕されてしまうことも…。子ども達がその親にとってだけでなく社会全体の宝であるという意識がしっかり共有されているということですね。