学生の作品展にてマルメの食生活を学ぶ
2018年08月06日(月) 18:34
UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, Skåne, イベントの話, スウェーデン, リサーチャーの知恵袋, 食べるモノコト- LEARN LOCAL HABIT OF EATING FROM STUDENTS' DESIGN PROPOSALS
- Master's students at the School of Industrial Design at Lund University who participated the Cyclic Food Chain Project 2018 have produced design concepts linked to food within a local context, and their deliverables are now exhibited at Form/Design Center in Malmö. It also offers a good lesson to me who just moved to the area about the local habit of eating. Falafel seems to be a popular fast food here, and potatoes and mushrooms could be a prioritized option for their kitchen garden. Idea of introducing a "summer kitchen" instead of summer house sounds interesting, too, but it would never work in Japan.
街のど真ん中あたりに、Svensk Form Sydという非営利団体が運営するForm/Design Centerという場所があります。もとは穀物倉庫だった建物を改築して、スウェーデンはもとより北欧諸国で活躍するデザイナーや建築家さんたちについての情報を発信したり、展示会を主催したりすることを主な活動としています。この夏の展示のひとつに、ルンド大学で工業デザインを学ぶ大学院生たちが取り組んだ Cyclic Food Chain Project 2018の成果発表がありました。記録的な猛暑となったスウェーデンに暮らす若者たちが、食品の生産と物流が地球環境に及ぼしている影響を内省し、地域に根づいたサステイナブルな農業生産を実現するための第一歩となり得るデザインコンセプトを発表する場です。
各国各地でよく見られるプロジェクトだと思いますが、おのずとその地域の食習慣を反映したものが多くなりますよね。なので、引っ越してきたばかりのわたしのような人には、この街に暮らす人たちの生活の様子を想像する手がかりにもなって大助かりです。
たとえば、15件ほどの発表のうち3件がFalafel(ファラフェル)というファストフードに関するものでした。“Malmö is self-elected capital of falafel in Sweden”と地元っ子が言ってしまうくらいMalmöでのファラフェル人気はスゴイらしい。それはもう食べてみないとならないってーことで、その話は後日あらためて。
他には、日ごろ食べているものが生産される過程についての無知を戒めつつ、楽しく家庭栽培できるようにしようという提案で取り上げられる食材がジャガイモだったり、マッシュルームだったりというのはまさにこちらの人の食生活を反映しています。スーパーでは、コリアンダーやローズマリー、タイムやディルなどのハーブ類を鉢植えの状態で売っているところをよく目にするのですが、学生の発表にも、これらの鉢を紙にしてしまおうというのがありました。
足りていない栄養を補うために海藻類の摂取がこのところは増えてきているという事実に注目した発表や、サマーハウスならぬ“サマーキッチン”を持つ習慣を提案してみたり、食料生産が追い付かなくなり、動物性タンパク質を摂取するために昆虫を食べるようになる日が来ると仮定して“昆虫調理用器具”を提案する学生がいたり(これがもっとも異彩を放っていて目の付けどころの良い発表だったように思うけど、プロトタイプとプレゼンテーションがいまいちだったので写真なし)、実にいろいろとありましてとても勉強になりましたー。
会期は8月19日までです。お近くにお越しの方はぜひ笑。