2018年3月の読書記録

2018年04月06日(金) 16:30

本&映画の紹介

スウェーデン往復のロングフライトと前後の時差ボケを乗り越えるべく笑いながら気楽に読める本と小説が多めになってしまいました。小説は3冊全部オススメです。特に!と1冊選ぶならば、『ウォッチメイカー』かな。データを読むこととヒトを観ることの両方が真実を追求するには大切なんだっていう、リサーチに通じる学びが隠れた極上の刑事モノでした。

スウェーデン行きに備えた予習本というか、出発が遅れていく間に行くのが嫌にならないよう、本当に行くんだという気持ちを盛り上げるためのスウェーデン関連本も着々と読了しております。このスピードで読んじゃうと、出発までに在庫がなくなりそう笑。あんまりないのでね、スウェーデン本。お仕事直結のマジ本が一冊もないのはちょっと反省です。積んである大きめなやつを何冊か、読んで箱詰めしないとな…。

 

読んだ本の数:10
読んだページ数:2693
ナイス数:31



望遠ニッポン見聞録 (幻冬舎文庫)望遠ニッポン見聞録 (幻冬舎文庫)
グローバルな視点を持つことが当たり前の(比較的)裕福な家に生まれながら、甘やかされることなく、自力で道を切り拓いてきた著者の体験と感性と文才が詰まった一冊。何が良いとか悪いとか、普通とか普通じゃないとかそういうことではなく、見方によってはこう見えるのね、こんな捉え方もあるよね、とりあえず笑えるわーって感じで楽しめます。小気味よく、絶妙なペースで笑わせてくれるので機内読書にもってこい。さぁ私も、スウェーデンからニッポンを望遠で見る生活を楽しもう!
読了日:03月03日 著者:ヤマザキ マリ


魔女は甦る (幻冬舎文庫)魔女は甦る (幻冬舎文庫)
中山七里さんだし、カエル男の続編らしいし、それはもうグロイの覚悟で読み始めないとダメですよ。犯人はたぶんあいつ等だと途中で気づいてしまうけれど、殺されるシーンを想像するとその辺を歩くのがコワくなるレベルでして、満身創痍とは言え生還できた二人の生への執着を尊敬せずにはいられない感じで読了でした。そんな身体になってもやめられない仕事がある、やめさせてくれない職場があるというのは、ある意味、幸せなことなのだろう、とも。
読了日:03月04日 著者:中山 七里


もぎりよ今夜も有難う (幻冬舎文庫)もぎりよ今夜も有難う (幻冬舎文庫)
また手にしてしまった片桐はいりさんの本を。彼女の原点はもぎりだったのかぁ。しかも今でももぎっているとか愉快な話だ。シネスイッチ銀座に代表されるミニシアター系の上映作品にはまって通った時期が、私にもあったな…とぼんやり若い頃の日々を思い出しました。映画館に映画を見に行く習慣を失って久しいし、おそらくこれからも取り戻すことなく家の大きなテレビで満足しちゃうんだろうな。こんな元映画ファンを映画館に呼び戻す方略はないものだろうかね…。
読了日:03月06日 著者:片桐 はいり


公正的戦闘規範 (ハヤカワ文庫JA)公正的戦闘規範 (ハヤカワ文庫JA)
いずれも短編で終わらせるのはもったいないレベル。これからのテクノロジーの進化とそれがもたらす世界のあり方を否応なしに考えさせられる物語の連続でした。技術の進歩はわたし達の生活を豊かにしてくれるものでありつつも、違う意味で使われる危険性を常に孕んでいるもので、それを忘れちゃいけないよ、という警鐘としても一読の価値あり。この人の描く物語は本当に難しいけれど、それを感じさせずに引き込む魔力も持っていて、もうすっかり虜です。早く次、お願いします。
読了日:03月08日 著者:藤井 太洋


MUJI BOOKS 人と物6 米原万里MUJI BOOKS 人と物6 米原万里
「本は一番軽く持ち出せる日本なんですよ。で、持ち込める外国」って、ホントそうですよね。米原さんの言葉を肝に銘じて、たくさんの本を持ち出そうと思っています。バブリーだった頃や幼少時代の米原さんのお写真がたくさん掲載されていて、お顔を思い出しながら、真顔で毒を吐きまくっていた様子を思い出しながら読みました。そうやって思い出してもらえる人材になるべく頑張ろー。
読了日:03月11日 著者:米原万里


スマホでかんたん確定申告 ~青色申告をラクに済ませるfreeeの使い方から節税のコツまでスマホでかんたん確定申告 ~青色申告をラクに済ませるfreeeの使い方から節税のコツまで
今年度の確定申告も無事に弥生で完了したことだし、その勢いで来年度を見据えてコレ読んでみたところ、freeeなら“家計簿をつける要領で”楽に確定申告できるという触れ込みにまったくそそられなかった笑。なぜなら、挑戦と挫折を繰り返してきたのでね、家計簿…。外国からの確定申告にどのくらい役立つかは全然わからんかった。完全にターゲットの外にある文脈だから仕方ない。とりあえず30日間無料クーポンで来年試してみるかな…。結局、弥生を使ってそうだな…。
読了日:03月12日 著者:村井 隆紘,藤井 浩平


北欧の旅―カレル・チャペック旅行記コレクション (ちくま文庫)北欧の旅―カレル・チャペック旅行記コレクション (ちくま文庫)
予習④ – 添えられているイラストが、北欧三国を見事に描き分けていてスゴイのだ。平地でもぞもぞ草を食む牛たちが散らばるデンマークから、スウェーデンに入って少し起伏が増え、森と湖に囲まれた三角屋根の家々が見られるようになる。これがノルウェーまでいくと急峻な山々と渓谷が広がり、人々の暮らす家の屋根には土が盛られ、草が植えられている。こうして暖を取っていたのだよね。この旅行記を読むだけで、刺すように冷たい空気の中で春の陽気を心待ちにしながら、長い冬を楽しく愉快に暮らす北欧の人たちが目に浮かぶ。その中の一人になりたいです。
読了日:03月17日 著者:カレル チャペック


生きるための選択 ―少女は13歳のとき、脱北することを決意して川を渡った生きるための選択 ―少女は13歳のとき、脱北することを決意して川を渡った
岐路に立ち、勇気を出して選択をして、生きることを決して諦めずに顔を上げて前進し、そうしてやっと家族と再会できたときの喜びはおそらく、日本人の想像できる範疇にはないだろう。メディアに顔を出すようになった今は、祖国に罵られ、命の危険すら感じて怯える局面もあるに違いない。それでも、祖国で死と隣り合わせの生活をしている人たちのために声を発し続けて欲しい。第三者が気安く言うのは簡単で、字面だけの応援で申し訳ないとすら思うが、こうして一人、また一人、と脱北の現実を知る人間が増えていくことは大切な一歩だとも思う。
読了日:03月25日 著者:パク・ヨンミ


スウェーデン式 アイデア・ブックスウェーデン式 アイデア・ブック
予習⑤ – 著者がスウェーデン人で、事例にもいくつかスウェーデンの企業や人物が登場するわけで、だから“スウェーデン式”だと言われれば、あーそうですか、と。ま、別にいいけど笑。毎月一冊、興味のない分野の本を読むっていうのを、言われてみればやったことがなかったな、と思い、それ採用。あと、電子書籍のおかげでスウェーデンに行った後も日本語の本をあっさり買えてしまうけれど、スウェーデン語の絵本とか、雑誌とかにも挑戦するぞ、と思うくらいには刺激を受けました。
読了日:03月29日 著者:フレドリック・ヘレーン


ウォッチメイカー〈上〉 (文春文庫)ウォッチメイカー〈上〉 (文春文庫)
各所で“徹夜必至”の読み応えと絶賛されていたので読み始めてみたところ、カタカナの登場人物たちを覚えるほうに必死で序盤はなかなか加速せず。二つの事件がどこかで交差するであろうことがすぐに分かって面白くないぞ~と思っていたら、事件は二つどころでなくなってきて焦る…。なんと!そう来るかぁ!!とのけ反ってたら、こっちもすごいやり返すし、まさかの!とか叫んでたら、そこもひっくり返すんかぃ!!ってなって、いよいよ告白か…とドキドキしたら、あっちの事件の話になるし、こりゃ確かに徹夜もしちゃうわ。この勢いのままに下巻へ。
読了日:03月31日 著者:ジェフリー ディーヴァー