2016年1月の読書記録

2016年02月05日(金) 19:19

本&映画の紹介

2016年の目標を小出しにしておりますが、昨年末にちらり書いたとおり毎月二桁の読書。これ決定。そして1月達成。幸先の良いスタートです。1月達成してから宣言するなんて小ずるいけどね。

誰のためのデザイン? 増補・改訂版』は読んどくべきですよ>業界の皆さん。タイムリーなところでは『芸能人はなぜ干されるのか?』か…笑。『作家の収支』は、作家じゃない人、作家を目指す予定のない人にはまったく関係ありませんが勉強になります。世の中ってこうなってるんだー。ってな感じ。

では皆さんも、読書お楽しみください。

 

読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3345ページ
ナイス数:39ナイス


誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論 誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論
2016年の読書はじめに相応しい一冊。“アフォーダンス 改め シグニファイアではない”というところが大事。アフォーダンスと知覚されたアフォーダンスとシグニファイアをそれぞれ丁寧に説明してくれていますが、それでもまだ分かりにくい…ということで訳者あとがきにある追加説明に助けられる読者も多いことでしょう。HCDやら、UXやら、そんな界隈でお仕事されている方は必読です。
読了日:1月3日 著者:D.A.ノーマン



否認―どうして言わないの (講談社文庫) 否認―どうして言わないの (講談社文庫)
結構まじめな法廷モノなのに、娘の恋愛とか絡めてきて、まー確かに人の生活ってこんな感じかもしれませんね。父親が贈賄で起訴されて被告席に座ってるのに、娘は担当弁護士に恋しちゃったりなんかして。否認の理由もな…、自分勝手も甚だしいわ。お金が絡むと何かと大変ですね。ところでコレを読んで、一度くらい裁判の傍聴に行ってみたいな…と思っていたことを思い出しました。今年どこかで挑戦しよう。
読了日:1月5日 著者:堀田力



芸能人はなぜ干されるのか? 芸能人はなぜ干されるのか?
コワイ世界だ…。そこまでしてでも光を浴びる世界に行きたい、居続けたいと思う人たちがいてくれるから庶民の娯楽が成立するわけですが。自分を殺して回りに合わせて、言われるとおり従順に、しないと生き残っていけないというケースばかりではないのかもしれないけれど、干される人となぜか光の下に居続けられる人と、しばらく消えていたのに気づいたらまた脚光浴びてる人もいたりして、それはもう込み入った裏事情がいろいろあるのでしょうね。そんな裏事情をほんの少し覗き見させていただきました。
読了日:1月7日 著者:星野陽平



イスラム化するヨーロッパ (新潮新書) イスラム化するヨーロッパ (新潮新書)
ホームグロウン・テロリストの脅威が綴られた一冊。思い切って要約するとそんな感じ。幸せを追い求めて欧州へ向かい、必死に生活を作り、子どもを生み育て、決して苦労を引き継がせないようにとガンバッテきた親に突きつけられる我が子がテロリストと化したという事実。そんな事態が現実のものとなっている昨今の欧州には今も難民が押し寄せる。逃げ込んだ場所が幸せを約束してくれるわけではないという現実。キツイ。でも、目を背けてはいけない世界規模の大問題です。
読了日:1月9日 著者:三井美奈



キウィおこぼれ留学記 (幻冬舎文庫) キウィおこぼれ留学記 (幻冬舎文庫)
ちょっと留学したくなってしまった。二週間くらいサクッと行ってみようかな(笑)。毎日ひたすら英語の勉強をする(しかも若い子に交じって)というのは今やるとかなりの苦痛に違いない。ま、ホームステイのほうが拷問かもしれませんが。著者の菊池さんに対する敵対心…に見せかけた愛が面白い。さて、留学先はどこにしよう…。
読了日:1月10日 著者:小林聡美



そのときは彼によろしく (小学館文庫) そのときは彼によろしく (小学館文庫)
誰が、誰に宛てての「よろしく」を誰に託すのか、それがとにかく気になって気になって、一気読みでした。そしてそれが判明したときには涙…。愛に溢れるファンタジーです。
読了日:1月13日 著者:市川拓司

 



しんがり 山一證券 最後の12人 しんがり 山一證券 最後の12人
拓銀の倒産から山一の自主廃業まで、ちょうど大学を出る頃だったのもあって、おかげさまで就職活動がえらく大変だったことを思い出しました…。まー、それは自分の能力と努力と気合いが足りなかったという事実も否めないわけですが。しかし山一の社員たちはかなりの割合で、しかもさほど苦労もせずに次の仕事に就くことができているっぽくて、羨ましいような腹立たしいような。地道に貯めたお金が紙屑になってしまうのは辛いなー。可哀そうなのはそういう顧客だよ…。
読了日:1月16日 著者:清武英利



ルポ コールセンター 過剰サービス労働の現場から ルポ コールセンター 過剰サービス労働の現場から
クレーマーとまではいっていないと思うが、どちらかというと怒ってしまう質である。だからゴメンナサイ。以後、気を付けます(笑)。それにしても、大阪にあるらしき“情報工房”さんの仕事内容や取り組み方、それらを支える社長さんの心意気がステキだった。良い会社。サービスを受ける側だけではなく、提供する側にとっての“心地よさ”を追求していける日本を作っていきたいですね。そんなことを考えさせてくれる良書でした。
読了日:1月20日 著者:仲村和代



失敗から学ぶユーザインタフェース 世界はBADUI(バッド・ユーアイ)であふれている 失敗から学ぶユーザインタフェース 世界はBADUI(バッド・ユーアイ)であふれている
学生向け、初学者向けと思って読めば、事例が豊富で、状況描写や説明が丁寧で悪くないですが、全般的にクドイ。文章量は半分にできると思った。そして写真と文字を大きくすると良かったかもです。あと、写真が下手な気が…。本にするつもりはなくて撮った写真だったり、人から提供を受けた写真だったりを転用しているからという事情もありそうだし、なかなか撮り直しに行けない海外事例も多くて差し替えが難しかったという事情も分かるけど。まー、あまり人のことは言えないかぁ。
読了日:1月20日 著者:中村聡史



Obvious Adams: The Story of a Successful Business Man Obvious Adams: The Story of a Successful Business Man
“— to whom are you advertising – paper makers or paper users?”マーケティングの教科書としてよく知られた一冊。User Centered Designにも通じる物語なので、サクッと読んでみることをオススメします。振り返ってみたら“当たり前”のことを、こねくり回して難しく捉えすぎているのかもしれませんよ、わたし達。
読了日:1月22日 著者:RobertR.Updegraff



はじめて考えるときのように―「わかる」ための哲学的道案内 (PHP文庫) はじめて考えるときのように―「わかる」ための哲学的道案内 (PHP文庫)
“考えることは分かれ道に立つこと。あるいは道が見えない藪の中に立つことだ”そうです。深い…けどすんなり納得。つめこんで、ゆさぶって、空っぽにするを繰り返したり、行ったり来たりしたり、疲れるな…。でも諦めない。自分で納得のいく気づきに出会い、“わかる”ためには疲労を避けて進むことはできまい。そして疲れたときにこそ、この本を引っ張り出してみよう。絵だけを追うような読み方も、空っぽにしたいときには役立つかもヨ。
読了日:1月26日 著者:野矢茂樹



作家の収支 (幻冬舎新書) 作家の収支 (幻冬舎新書)
変人であった(笑)。そもそも“庭園鉄道”なるものを作るための土地が欲しくて執筆をはじめたらしい…。きっかけはどうあれ、それで書けてしまって、売れてしまうのだから、才能あったとしか言いようがない(いや、もちろん努力も相応に…)。ところで、小説を読んでいたときは気づかなかったけれど、この人、長音記号を使わない主義なの? 印税云々はだいたい知っていた内容だったけれど、小説の場合は入試に使われたり、参考書に採用されたり、ってことでもお金になるとは想定外だった。さて、私も次の本を…(なんつって)。
読了日:1月30日 著者:森博嗣