東大寺と春日大社

2016年01月12日(火) 15:14

日本発信四方山話, 奈良

TODAIJI TEMPLE & KASUGATAISYA SHRINE: Kyoto has almost always been selected, when I had a chance to travel to the west, but Nara can be another destination for those who are interested in Japanese historical cultures. The Todaiji is the place you would love to see the Great Buddha of Nara, and the Kasugataisha Shrine is now under Shikinen Zotai (slightly different from Shikinen Sengu, but it means a series of sacred rituals conducted to provide a reconstructed or renovated sanctuary for God/Kami), which allows visitors to see some sacred locations which are normally-prohibited.

12月の奈良旅行がまるでなかったことのようになっているので、今さら思い出して書いてみる回。ちなみに奈良訪問は高校の修学旅行以来なので、約25年!ぶりの二度目。そうかー、前回、奈良の大仏様を見上げてその大きさに怯んだのはもう四半世紀も前の出来事なのか…。大仏様、大変ご無沙汰しておりました。相変わらず、堂々と凛々しく御座しまして安堵いたしました。お会いできて光栄です(写真[2])。

 

[1] 四半世紀ぶりに東大寺へ [2] 大仏様、お久しぶりです [3] 背中串刺しにされてるんだ…

続いて、第六十次式年造替が執り行われている真っ最中の春日大社へ(写真[4])。伊勢神宮と出雲大社の“ダブル遷宮”は平成25年のことでしたが、以来“遷宮”というお言葉にはすっかり耳馴染んでおりましたものの、ここに来て遷宮ではなく“造替”とか言われて、違いが分からない…。で、急いで調べてみたところ、

遷宮=本殿を別の場所に新築し、そこへ神様にお遷りいただくこと
造替=本殿の位置は変えずに建て替え(または修復)を行うこと

ということらしいです。境内の案内には、春日大社のご本殿が国宝に指定されているため取り壊しができない云々という説明がありました。明文化はされていませんでしたが、文化財保護法の縛りを受けるということのようです。神様に新居へお引っ越しいただいても古いほうのご本殿を取り壊せないというのでは困ったことになるので造替という道を取っているということでしょうか。なんとなく納得がいかないのでさらに調べてみましたところ、ダブル遷宮で話題になった出雲大社のご本殿も国宝っぽい…。そちらでは、神様に一旦拝殿(あくまでも仮住まい)へお遷りいただき、ご本殿の修繕が完了したところでお戻りいただくという手順を取っていて、これを“修造遷宮”と言うらしいです。となると、修造遷宮と造替の違いはなんだ? 神様に仮住まいへのお引っ越しをしてもらうかどうか、かな? 造替の場合、神様はずっとご本殿にいらっしゃるということなのでしょうか? 工事、うるさくないですかね(笑)。見守ってくださっていると考えれば良いのでしょうか?

と、ここで文化財保護法の在り方について考える…。遷宮という古からのしきたりや宮大工が継承する建築技術を後世に残すべき文化と考えれば、有形文化財であるご本殿を取り壊すという行為もその文化の中に含まれるわけで、取り壊しを禁止することはつまり文化を変容させることに相違なく、それは…どうなんだ?

 

[4] 式年造替中の春日大社へ [5] ウワサどおり燈籠がたくさん [6] 藤浪之屋で灯してくれてます

春日大社には三千基を数える燈籠(写真[5])があります。2月の節分と8月のお盆に執り行われる万燈籠神事(すべての燈籠に御明を灯す神事)の雰囲気を参拝客にいつでも感じてもらえるようにと、藤浪之屋という建物の中に御明を灯した燈籠を展示してくれていました(写真[6])。遠くから訪れる観光客としてはそんな神社の配慮に喜びを覚えます。しかし言ってみればこれも、文化を変容させてますね。時代の趨勢に合わせて変わっていく、変えていくこともまた文化と考えれば、いろいろなことが丸く収まりそうな気がしてきた。