ユーザーの記憶頼り?!

2015年02月10日(火) 17:00

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SHOULD NOT RELY ON USERS’ MEMORY: Like the one found in Noto before, a hot spring inn provides a clip to be sure which pair of slippers is mine. Looks a similar and nice service for those who don’t like their slippers mixed up with someone else’s, but it’s not, because users have to remember the color and number of the clip themselves. The number is not related to the room number, and I’m pretty sure of that I would forget the number while bathing and relaxing. Another service which do not expect to rely on users’ memory need to be considered.

先日遠野まで北上した折、花巻駅からバスで小1時間のところにある山の神温泉 優香苑というお宿にお世話になりました。自慢の宮大工建築は申し分なかったのですが、スリッパの履き間違いを防止するための工夫がダメだったのでダメ出しです(笑)。

以前、能登の老舗にして(どんな基準かは知りませんが)日本一的な立ち位置の加賀屋に泊まって、そこのナイスサービスとしてご紹介した“雪駄クリップ”のパクリ(いや、こっちがオリジナルの可能性も…)と思われるクリップとご案内が部屋にありまして(写真[1])、「おー、やるじゃないか!」と一瞬おもいましたが、一瞬でした。

 

[1] 色と番号を覚えて…だと? [2] スリッパをクリップでとめます [3] 結局、信用できないらしい

だって、「色と番号を覚えてご利用下さい」って何? よーし、私のクリップは “グレーの48番”!と自分で覚えるんかいっ(写真[2])。私のクリップが “グレーの48番” だということを証明する何かがないと、ぜんぜんお役目を果たさないだろう~。それに、部屋番号とかともまったく繋がらない単なる番号、しかも同じ部屋に用意されている番号が連番ですらない、そんな脈絡のない番号をたかがスリッパのために必死で覚えておこうとするユーザーが果たしているのだろうか? お風呂に入ってのんびりしてるうちに忘れるっつーの。現代人はあれのパスコードとか、これのIDとか、こっちのPINコードとかって、覚える数字たくさんだからね、たかがスリッパのためにわずか2桁の数字も覚えてられん、というか覚えるのめんどくさい。

案の定、まったく信用していない方が、これが自分のスリッパだ!という主張全開な感じで棚にスリッパを置いておられました(写真[3])。そもそもユーザーの記憶を頼りにする時点でサービスとしておかしい、と思う。