絶妙な言葉えらびの案内板
2015年02月18日(水) 16:26
UXいろいろ, 日本発信四方山話, 京都, サインやUIの話, ヒトについて, モノ+コトの話EXQUISITE NOTICE WITH GREAT WORDING: The approach to the mountain top is a loop trail, which makes it a bit hard to notice that you have reached the top. That is why a notice saying “You are now on top of the mountain” is provided. When you start descending a mountain, you will find a notice saying “Trail to descend. Uphill for a while, then downhill to descend.” Without this notice, we can be uncertain if this is the right trail to get down, as we see an uphill ahead. The term “Trail to descend” also works better than just saying “This way,” because it implies that you now start descending a mountain as you passed the mountain top.
伏見稲荷大社の境内には、随分とお金をかけたに違いない立派な案内図がありました(写真[1])。全体像が分かって良い感じ。英語対応もしてあって、外国人観光客への配慮も十分です。でも巨大だし、狭い参道のあちこちに配置するには邪魔。で、参道の要所要所には簡易版の案内図が設置されていました。いずれにしても、参拝客が迷わずお山めぐりをできるようにとの心遣いが有り難いです。
そしてさらに一ノ峰には、参拝客の気持ちを先読みしたグッドデザインがありました。
四つ辻から先はお山をぐるりと一周する輪になっていて、どちら回りでも歩けるのですが、山道なので、単純にひたすら登り続けて降りてくる感じではありません。だからうっかりしていると目指した山頂であることに気づかないまま一ノ峰を通過してしまう恐れあり。ということで “ここが山頂” と知らせる貼り紙が貼られているというわけです(写真[2])。
一ノ峰でお参りをした後、山を下ります。下りるつもりで進んで行くと、参道は緩やかな登り坂。多くの人がここで一瞬迷うのでしょうね。下りたいのに登っていいの?と。そんな迷える参拝客の心の内を察して “少し登って下ります” と書いてくれています(写真[3])。また、敢えて “下山道” と書くことによって「うっかり一ノ峰を通過していませんか? あなたはもう下山しようとしていますよ」というメッセージを伝えることにも成功しています。単に “順路” と記されていた場合と比べてみてください。情報の価値が違います。
どなたが作ってくださったのか分かりませんが、グッドデザイン賞を差し上げたい(笑)。