「なかった」ことにされる露天風呂

2014年06月18日(水) 19:04

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 静岡, モノ+コトの話

OPEN-AIR BATH WITH LOTS OF BARRIERS: It goes without saying that such barriers are not good for elderly people. An old lady was saying that there was not an open-air bath there, though there was a nice one. She might have given up to take a bath because of the barriers, which might be shared with her friends later. The hotel should seriously consider the power of word-of-mouth among elderly people.

しつこく界 遠州 の話。今日はお風呂。夕方と朝の二度、温泉に浸かって疲れを癒してきました。幸い二度とも貸し切り状態。やはり平日に来られるというのはデカイです。おかげで写真も撮れました。

 

[1] 湖都の湯は広々。お茶玉も [2] 華の湯の露天はヒバの桶型 [3] でも浸かるまで段差だらけ

到着した日の夕方は、湖からそよぐ風が気持ち良くてついつい長湯をしてしまいがちな“湖都の湯”が女湯でした(写真[1])。手前の内湯には先日も紹介したお茶玉が浮かんでいます。

翌朝は男女が入れ替わって、ヒバの木を贅沢に使った桶型の露天風呂(写真[2])を新設して間もない“華の湯”へ。浴場へ着いたときには先客がいましたが、すぐに出て行かれたのでやっぱり一人貸し切りでした。極楽なり。

ちなみに先客は親子三代と思しき三人連れで、おばあちゃんは歩くのもシンドイというご様子。そんなおばあちゃんが放った一言がとても興味深かった。「昨日のお風呂のほうが良かったわね~、露天風呂もあって」とな。「え? 露天ないの?」と、寝起きでぼんやりしていた私の頭がシャキッと起きました。そして浴場に行ったら普通に露天風呂がででーんとありまして、「あるじゃん」と一人でつっこんでみたりした。そして考えたのですが、華の湯の露天風呂はとってもバリアフルで(写真[3])、危ない。そこであのおばあちゃんは入浴することを断念した…というか、お連れ様に断念させられたのではないかと思う。そして彼女の脳には、“華の湯には露天風呂はなかった”と記録されたのではないでしょうか? そして隣近所のおばあちゃん仲間にそう伝えるに違いない。口コミこわい。

お年寄りにもご利用いただく施設は、安全面に特に多くの配慮が必要です。温泉大好きなお年寄りは大勢いるだろうから、お風呂場の設計は重要だー。でも桶だと難しー。しかし、目の前にあるお風呂に入れないというのは、きっととても残念なことでしょうから、バリアはできる限り取り除いてあげたいですね。しかし自分は、このくらいのバリアは楽々クリアーするおばあちゃんになるぞ!と決意を新たにするのであった(笑)。