手作り自動ドア

2014年03月03日(月) 20:36

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 山口, ヒトについて, モノ+コトの話

HANDMADE AUTO DOOR: A young lady left the door open when she got out of the bath in Kusatsu, and the door left open reminded me the handmade auto door I happened to find in Yamaguchi before. The bottle with appropriately calculated amount of water pull the door to be closed gently. Beautiful attitude not only to expect people to behave, but to provide a creative support.

草津で最後に入った御座の湯では、早朝ということもあり、入館後はしばらく貸し切り状態でした。少ししてから若いお姉ちゃんが入ってきて、しかし私よりも先にあがって行きました。そしてそのとき、入り口のドアを開けっ放しにするというだらしのない行いをしたのを見て「最近の若いモンは…」とオバサンは呟くのだった(笑)。

しかしふと思いました。三日間でいろいろなお風呂場に行きましたが、大浴場や露天風呂への入り口に使われている“ドア”は結構いろいろでした。引き戸か開き戸かという違いもありますし、体重を感知して開け閉めされる自動ドアを採用しているところもあれば、開けるときは手動でも、その後は自然と閉まるようにうまく設計している引き戸なんかもありました。そこで思い出したのが山口のとある農産物直売所で見かけたペットボトルです(写真[1])。

 

[1] 絶妙な水量がポイント! [2] 引き戸を開けると持ち上がり… [3] 水の重みでドアを閉めます

御座の湯で出会った若いお姉ちゃんに限らず、ついウッカリはよくあること。直売所で買った大量の野菜を両手に抱えながらドアを出て、そのまま開けっ放しで行ってしまうお客さんが多いのかもしれません。そこで、手作り自動ドアです。引き戸を開けると、紐の先にある水の入ったペットボトルが持ち上がり(写真[2])、ドアから手を離すと、水の重みがドアを引っ張り(写真[3])、静かに閉まるようになっていました。ペットボトルの中の水量は、ドアが閉まるときの勢いがちょうど良い加減になるよう計算されているようです。

“戸はきちんと閉めるよう協力をお願いします”という貼り紙もあったのですが、人びとの行動が変わることをただ期待するのではなく、モノの側でサポートできることはサポートするようにアレンジするという姿勢が美しいと思いませんか?